それは舞い散る桜のように 2002,7,6

 結局、仕掛けもそこそこにキャラゲーを粉飾しようとして格好だけ整えてみただけというのが総論。余所でも散々言われているでしょうが、中盤までのシナリオやキャラの台詞回しは悪くないだけに残念です。シナリオの人か誰かの「大掛かりな謎とか背景とか難しいものは無く、イチャイチャを念頭に」とか宣っていた看板に偽り有りでした。
 最近多い記憶喪失と、奇行に走る主人公。その両方を兼ね備えているキャラも少なくありません。そんな有り触れた題材を元に作られたゲームの割りに、好評価できるのには安易な口癖に頼らないキャラの特徴の出た台詞回しが効いているからではないかと。特に希望の話のオチを綺麗に纏めるという会話パターンのはなかなかに上手かったです。
 背景部分以外のシナリオとしては結構美味しいところは半分は和人君に取られてい ますが、まぁ全て俺様主導で万事解決的なパターンよりはいいかなと。彼等彼女等で物語を作り、全クリ後の最後のシーンまで彼を絡ます辺り、このゲームにおける和人というキャラクターの位置付けが難しいところ。続編予定の主人公だったということらしいのですが、それが立ち消えになっては決まりの悪さだけが残ります。
 キャラ好感度は 芹沢かぐら > 里見こだま > 雪村小町 > 八重樫つばさ > 川原瑞音 > 佐伯和人 > 桜井母 > 郁原郁奈 > 星崎希望 > 相楽山彦 > 桜井舞人 > 佐伯和観 > 森青葉 > 結城ひかり > 牧島麦兵衛 > 桜香 > 恵美椿 > 水無月瑛 > 谷河浩暉 > 浅間弥太郎 > 朝陽 > 佐竹&宇都宮 > 鬼塚勝代 で。


D.C.〜ダ・カーポ〜 2002,7,20

 抽入曲の「Small Cherry」はとても好きです。BGMについては大人しい雰囲気の曲でどれも良いです。ただ、良い曲でもゲームを盛り上げる効果が無条件であるのかと言われれば別です。単体で聴くには心地良い曲揃いですが、曲で話を引きたてられていないシーンも少なくなかったのでそれ向きの曲も幾つか用意して欲しかったです。例えに出せば「それ散る」のBGMは歴代BasiLの中ではあまり高い評価ではないのですが、シナリオや雰囲気には非常にピッタシあっていました。能力ではなく、使い方が大事だと。勿体無いです。
 シナリオは聞いていた以上にメインとその他のシナリオに差を感じました。煮詰め不足とか構成不足とか、話自体のアイディアや話の作り方自体はそれほど悪くなくても他のシナリオとの調整が取れていなければ「こいつららしくない」という判断が沸いてしまいますので、台無しにしてしまいます。好き勝手書くのはいいですが、メインの筋を離れるようでは困ります。全てのシナリオで一箇所から数箇所「上手い」と感心させられるシーンやら描写やらアイディアやらそれぞれありました。ですが、それをシナリオの中に溶け込めさせていると言えるのはメインのさくらと音夢、ことりルートのみでした。全体的に丁寧さが欲しいという言い方は失礼かもしれませんが、もっと高い評価のできるものが埋まっていながらみすみす生かせていないという実感が強くあります。でもたまにこの辺はどうでもいいのになと思う部分で凝っていたりもするのもあり評価に迷ったりもしましたが。ということで「書いている時の気分にムラがあったのでは?」という判断に落ちつきました。実際はどうだか知りませんが。

【お気に入りキャラ:白河ことり】


世界ノ全テ 2002,7,27

 世界ノ全テ -remind of you-の感想はこちらです。
 発売前から音楽でやたら評価の高かった一作。その他にもこの手のゲームでは珍しい登場人物が全員関西弁な喋り方を導入したりして意欲作とも言える作品でした。確かに地方の話なのですから、標準語で押し通す方が幾分無理があるのかもしれません。薄々気付いていても誰もやろうとしなかった領域に手を出した訳ですが、成功したと言っても良いのではないかと。向こうの人からすれば正しい言葉ではないというところもあるかも知れませんが、私としてはこれぐらいが良かったです。

【お気に入りキャラ:櫻井まりも】


灰被り姫の憂鬱 2002,10,26

 CG毎にキャラの顔が別人です。髪型だけ同じで別人とかの域では済まず、髪の色が同じだけで別人なクラスだったりします。何せ髪の長さも何か同じに見えないように思えるものもありますので。ボイスは年齢層高い声に思えました。純粋に声だけで選ぶなら小夜先輩の「甲斐くん見〜付けた♪」が好きだったりします。連続して聴くと飽きますが(ゲーム進行上、この手の会話パターンは連続で聴くことになります)。
 舞台は学園で、主人公達が学生なのは間違いないのですが年齢が不明です。単なる推測ですが、もしかしたら高校生では済まないかも知れません。上級生のキャラクターの声が若者と呼ぶにはあまりにアダルティーな感じが溢れ返っているのと舞台設定からして自分達はこの場所を去ることが出来るのかどうか全く予想がつかない点があげられます。ここには「卒業」という言葉はなく、今後の未来なるものもないように感じます。全てはこの学園の中の世界を維持する為だけに延々と一年一年が繰り返されている、そんな印象を持ちました。主人公達も上級生達も延々と学年を重ね続けるような終わりのなさを感じたもので。勿論単純に高校生を繰り返しているという可能性もあります。時間軸の歪ませからしても。ゲームを全て終えても、はっきりとした世界観への説明はありません。シナリオとしては人間関係を中心にした面子と、学園の謎の方を中心にした面子と分かれております。学園側から見るとこの学園はどうも大まかに二種類の勢力(AとB)があり、それらが契約関係を結んでいるようです。

《亜理紗》 例外
 彼女は黒い羽を持った堕天使か悪魔かだと思いますが、この世界は彼女を頂点として成り立っています。学園の全てを知り、この世界を構築はしているかしていないかまではわからないものの、彼女の力で支えているのは間違いありません。

《マザー》 A勢力
 学園を実質支配している存在。執行委員の上の立場として存在していますが、その正体は一部教師は知っているものの執行委員ですら知らないようです。副委員長の沙希は感づいているかも知れませんが、個人レベルの話のようです。

《執行委員》 A勢力
 表向き学園を支配、運営している面子。灰被り姫となった者達が任命されます。恐らく学校方面に関して言えば生徒会のような存在。そんなわけで日頃は雑事が多いですが、実のところ主な仕事は灰被り姫の儀式を執り行うことのようです。

《教師》 A勢力
 学園の学校部分を担っている存在。生贄たる生徒達を超然的な立場で管理する存在だが、どこまで学園と結びついているのかは不明。執行委員達の前に姿を見せないマザーの正体を彼女らは知っているところを見ると、立場は執行委員の上にあるが学園と生徒には口を出せない存在っぽく。

《シスター》 B勢力
 亜理紗もしくは学園と契約を交わしている者達。彼女らも黒い羽を持っている。儀式などで処罰者を出すのは契約によって得た彼女らへの餌なのではないかと。本来は一人の筈が三人いるのは何か原因があるみたいです。生徒から一人、教師から一人、病人から一人と綺麗に区分けされているが、別に意味はない風に見える。マザーとの関わりは呼称の関係程すらないっぽいのが不思議。元々は亜理紗と同じ存在と位置づけるべきかも知れないが、現状の力関係は歴然としている。その力関係を崩す為にも独自で灰被り姫を狙っているという解釈も出来る。

《灰被り姫》 鍵(その後A勢力へ)
 毎年数名選出される儀式の主役。この閉鎖的な世界を維持するシステムの為の鍵なのかどうか。推測では維持する力を持つ者へ送られる《力》の源か何かではないかと。毎年亜理紗にその力を得ることでシステムを維持していて、シスター達や亡者はその力を欲していて出し抜こうとしていたりしているのではないかと。

《推薦人》 一般生徒
 灰被り姫を推薦する人。生徒会選挙で言えば応援演説をするような立場。特に決まりはないが、表立ってやっていると灰被り姫選出後に処罰者にされる可能性もあるので普通は誰もやらないものと思う。

《亡者》 D勢力
 出来損ないと呼ばれたり。処罰者らの魂が夜の学園内を彷徨い続けている。初老の雰囲気のリーダー格もいるようだが、好き勝手に跳躍跋扈している。鍵の掛かった部屋には基本的には入れないが、絶対ではないようだ。彼らもまた独自に灰被り姫の力を狙っていたりする。シスターには狩られたりする。

 ということで全ての頂点に亜理紗がいて、そのすぐ下にマザーがいます。亜理紗は魔のもの、マザーは怪しいものの人間らしいので、利害関係が絡んだ上下関係の雰囲気があります。亜理紗の下にはシスターがいますが、彼女らは亜理紗、もしくはマザー以下執行委員と契約関係で結ばれていまして力関係の詳細は不明。亜理紗の下の位置にはいますが、マザーらとの関係がどこで括ればいいのかわからないので。マザーの直属には教師と執行委員がそれぞれ別に存在します。協力関係にあるものの互いに互いの分野には踏み入れない部分もあるみたいです。
 好きなキャラ順は 柏木桜子 ≧ 村瀬麻耶 ≧ 風間充 > 笹原雄二 > 匂坂流奈 ≧ 藤枝葉月 > 須磨翠璃 > 御堂絵梨 > 舞子 > 七重五月 > 阿形美帆 > 優樹 > 佐奈・志摩 > 愛美・実夏 > 如月小夜 > 浦澤雨音 > 鈴掛沙希 > 亜理紗 > 逢瀬甲斐 > 江頭雅夫 > 森末茉莉 > 愛沢 > 佐藤 > 過去桜子 > 水原 で。


結い橋 2002,11,9

 シナリオらしいシナリオがない作品。足の骨を全て取り替えると言う大手術翌日に元気にその足で石段を登ってくるヒロインという有り得ないオチを見せたことで一部有名に。
 好感度キャラ順は 有坂まつり > 桜井秋久 > 桜井知絵 > 有坂詩奈 > 高月未衣 > 高月琳 > 高月一海 > 菅原里美 > 高月一史 で。

忘レナ草 〜Forget-me-Not〜 2002,11,9

 前作の内容の無さから一転して頑張って内容を作りこんである印象を持ちました。ただどうしても二週間ちょいという制限のせいか、話がどれも駆け足で進んでしまったところが辛かったです。香澄と沙耶はそれぞれもう一つぐらいはイベントがあっても良かった気がします。こよりぐらいの話だとあの話の尺で大丈夫なのですが。
 キャラはそれぞれ良い作りなのですが、用意されただろう設定程にはそれぞれ目立てなかった気がしました。一番出ていたのは真綾だと思います。
 曲はエアリオ以外の通常のED曲がとても良かったのです。  好きなキャラ順は 真柴沙耶 > 東堂真綾 > エアリオ > 朝比奈香澄 > 坂崎こより > 新田穂波&矢部正広 で。


はちみつ荘deほっぺにチュウ 2003,1,18

 どうもこれは様々なタイプのボケ属性なキャラを楽しむゲームのようです。そして全キャラ共通の部分が「人の話を聞かない」キャラでして、その聞かないタイプというか系列が全員異なっていたりします。思想が八艘飛びのボケキャラ、数テンポ遅れの感激屋キャラ、キャンキャンと煩いキャラ、直ぐ泣きかける鬱陶しいキャラ、とことん無視しくさるキャラと本当に頼むから俺の話を聞いてくれ、という気持ちにさせられます。
 見た目で判断したら勿体無いシナリオさんの力量でしたが、ボリュームがあるものではないですので、そういうものを欲する人には向きません。シナリオが妙にスッキリと真っ当なPiaキャロぐらいの感覚でプレイすると良いかも知れません。イージープレイのみの話をすれば手軽といえば手軽ではあるのですが、とっとと話が進み過ぎるぐらいに過ぎるのでまったりという印象は意外と低いです。ゲーム期間の半分ぐらいですがそこは濃密と言えますので。その後の空白期間を埋めれば何とか。因みにイージー不可の1stプレイでも二週間弱ぐらい余りました。
 好きなキャラ順は 五十嵐優美 ≧ 瀬田ゆうこ ≧ 林春奈 ≧ 巌谷裕子 ≧ 神主 > 大崎和也 > 横村しずか > 広田公人 > 横村もとか で。


Milkyway2 2003,1,25

 制服2パターンというものを見せるだけで延々ともう1プレイを要求されるのははっきり言って辛いです。正直この手のゲームをやるのは時間的に余裕のある生活を送っていない人が多数を占めると思いますし、こういう辺の気遣いが無いとセーブデータだけ落として回想シーン見ておしまいという人が増えると思います。Piaシリーズだって結局そうなっていたようですし。祐美の別EDでちょっとその辺について弄ってみたようですが、それで食い止められるということは恐らくないでしょう。全くシナリオが中盤から変わるというのであれば良いのですが、そういうこともなかったですし。
 このゲーム、恐ろしいほど「声」に興味が持てませんでした。上手いとか下手とかというのではなくただただ無関心。無くても全然困らないです。台詞回しとかの妙もなく、喘ぎとかで沸き立たせるものもなく、普通の会話も普通に素通りしてしまってあんまり印象に残らなかったです。礼ぐらいでしょうか。一部は逆に耳障りなシーンとかがあって正直ウザい部分の方が多かったような気がするぐらいに。
 多分このシナリオさんは頭の弱いキャラを描くのが得意なのか、好きなのかはわかりませんが誰でも彼でもというか全員そういうキャラにされると読んでて辛いです。

【お気に入りキャラ:御影咲夜&坂本礼】


未来にキスを 2003,2,15

 エロ抜きにしてもゲームをやっているような気はしませんでした。それは最後の少女の存在があからさまにとある使者としての存在を意識したものとして登場させている点もあって、ゲーム世界を眺めている自分ではなく、ゲーム世界に浸っている自分でもなく、最後はゲームの中のキャラクターをプレイヤーから追い出して主張のみをぶつけているからだと思います。ライターの主張の代弁者でも表現者でもあるはずのキャラクターを捨ててまでプレイヤーへ語りかけてくるという雰囲気が私はかなり引きました。
 好きなキャラ順は 守里彩子 > 神澤悠歌 > 守里椎奈 > 笹本康介 > 中谷海彦 > 柚木式子 > 尚樹 > 慧子 > 飛鳥井霞 で。


木漏れ日の並木道 2003,3,15

 椿の位置づけが半端でした。てっきり姫乃ルートあたりでは救える展開もあると思ったのですがそれもなく、ではせめて椿との思い出話があるルートが入っているのかと思えばそれすらなく、ただ単に主人公が置いていかれるという哀しみの演出でしかなかったのが残念です。強いて言えば伊吹との関係に直結する側面もあったりはするのですが、小道具というほど関わっている訳ではないみたいですし。
 オマケについてはそれこそトゥインクルレビューを思い出すような作りでした。ドラマに関しては声優がキャラ変えを演じているのに立ち絵がそのままなので、大声でハキハキ喋る声なのに、口パクがボソボソというギャップがなんとも。
 好きなキャラ順は 中里未来 > 綾瀬紫苑 ≧ 巴吾郎 ≧ 乾なつき > 雪桜姫乃 ≧ 真崎楓 ≧ 綾瀬直樹 ≧ 雪桜紅葉 ≧ 綾瀬雪 ≧ 七村美姫 > 真崎凪 ≧ 中里さくら ≧ 椿> 中里光一 > 雪桜伊吹 で。


CANNONBALL 〜ねこねこマシン猛レース〜 2003,3,29

 この頃「ライアー=システムが最高に駄目」ということで非常にインストールに苦労しました。
 感想としてはブッチの語りは格好良いです。ハリ・サイと同じ声優さんということを忘れさせてくれます。音楽はゲームをしている限りテンションが上がるいい音楽です。  キャラに関しては全員のイベントどころか殆どのキャラのイベントを見ていない気がするのでなんともいえませんが、これまで見たイベントを見る限りこれだけの数を出しながらなかなか上手く捌けているように思いました。本当にどうでも良いキャラというのが、いなさそうなのが特に。名無しのキャラとかも上手い使い方していますし。マクシミリアンはバナー広告で出ていた絵から感じていた印象とは全然違っていて意外でした。
 2つのルートに分けたのは構わないのですが、それぞれ違うものを用意したのではなく一つの話の小エピソードを二つに分けてそれぞれに埋めたというやり口は失敗と評して良いでしょう。具体的に言えば他のエピソードは二つに分けてもさして話の本筋から離れることは無いので構わないのですが、魔女組、騎士組、魔王組、ブッチ組は全て共通ルートに埋めないと話が見えてきません。それなのにブッチ組しか共通でないので、2ルートでは騎士様が何であんなにムキになるのかが全然わからず、ラスボス的立場にいることが理解できず、戸惑います。魔王に至っては途中退場してしまって、存在の意味さえも不明です。彼らの理由を知るには1ルートを通らないと判らないのですが、すると魔女組の謎が解き明かされないので、トトの言動に大きくしこりを残します。ただナチャと殆どかかわりなく進んだ(開会レセプションと虫プレx3ぐらい)私としてはラストであそこまで慕われるのにピンときませんし、ギャラハッドと宿命のライバルっぽく扱われるのにも1ルートを辿らないとちょっとピンときません。まだメルクリウスの方が因縁があるだけに理解できます。
 全キャラで一番好戦的なのはパティでなければレジーナだと思います。多分一番多く戦ったので。一応全キャラと戦いましたが、伯爵には勝てなかったものの、他の面子には一回は勝ちました。というか伯爵とは一回しか戦う機会がなかったもので。
 バナー企画参加しておりまして、ルート1の途中(レース2〜3の間あたり)で 『Thoughtless Homepage』領の久々野彰卿としてゲーム中でレジーナの支援しているのが確認されました。一方、バナーの方は結構目立つ位置に貼り付けられておりました。

【お気に入りキャラ:アナスタシア・ペトローブナ&レジーナ・コロナ】


MARIONETTE −糸使い− 2003,4,5

 原作の小説については連載が始まった最初か、すぐかは忘れましたが殆どリアルタイムで追いかけていました。投稿先のサイトへはほぼ毎日のようにチェックしていたのを今でも思い出します。そこのサイトは成人指定系オンリーの中でもかなりの高レベルの作品が集まるところなのですが、そのなかで一番「読み物」として抜きん出ていたのがこの作品でした。エロ小説を読むというよりも、本当に人気連載小説の新作を読むという気分を最後の最後までもたせてくれて、一時中断した時は本当に残念に思って再開が待ち遠しかったものです。
 こうしてゲームとして絵などの情報が増えると、文章のままでは気付かなかった疑問や矛盾などが出てくるだけに、その辺の整理をして貰いたかったです。加筆はしていますが、第一部からそれぞれのENDの部分とTRUEのラスト付近を増やしただけで、他はノーチェックだったんじゃないかと思うぐらいに手が加えられたようには見えませんでした。ゲームの紹介の仕方といい、有る程度元の話を読んだ人を見越した感じだったので、どうそういう人を喜ばせるのかと思っていただけに、その点についてはがっかりです。ですが、元の小説を楽しめた身としては、その楽しみを損なうということは全くありませんでした。
 キャラの好感度は 北条茜 > 御影広樹 ≧ 北条葵 > 北条美佐子 > 遠山 > 橘景子 > 三上晶 ≧ 美子 ≧ 英子 ≧ 詩子 > 北条教授 で。


マブラヴ 2003,5,10

 超王道学園アドベンチャーと銘打ちまして、「お約束のベタベタ」を見せ付けようという所謂おちょくりが入った企画という認識で正しかった筈ですが、実際やってみると特に違和感や「そうそうこのベタさが…」というのが意外に少なかったことに驚きました。言ってみれば余所のゲームで素でやっている部分の方がこれよりも余程ベタ臭が漂っているということで、この手のゲーム的には「普通」という王道ぶりでした。それが第一印象で、結局最後まで変わることはありませんでした。
 アンリミ(+オルタネ)がメインというのは最初からなのか、初回限定騒動以降から考えられたものなのかは知りませんが、最初だけはエクストラのみで良かったと思います。エクストラとアンリミデットという二本立ての真意がどうであれ。最初からこのアンリミという「時空のクロスロード編」を用意していたのかどうかは知りませんが、バランスが悪過ぎます。学園編であるエクストラで一つの話としてがっちり最後まで描ききってしまっては、アンリミは付録という印象をどうしても最初に持ってしまいます。一方、アンリミの為のエクストラでなければ、アンリミデットという物語は生きません。本当にアンリミ編という世界観でこのマブラヴというゲームを評価させるように仕向けるのであれば、エクストラ編は純夏ルートオンリー程度で、しかも文章量もイベントも半分以下に抑えるべきです。そんな2キャラセットで1シナリオにした程度では意味を為しません。エクストラにて他のヒロインで確りと物語を堪能してしまいますと、アンリミでは嫌気しか沸きません。アンリミデットがエクストラありきの物語である以上は、アンリミはエクストラの続きな訳ですから。そして何よりオルタネイティヴという続きを用意する以上どう考えても均等のウエイトではないでしょう。
 そんな訳でどれだけアンリミで感動的なシーン、緊迫したストーリー、練り上げられた裏の裏を魅せきっても、一度「白けて」しまいますと、どうしても冷め切った目で読むことになりますし、そこまで言わなくても素の感情からは差っ引いた気分になってしまいます。在り来たりの例えで言うなら御馳走を二つ並べられても二つ目を食べる頃には満腹感によって美味しさを損なわれているというようなところで。主食のアンリミ&オルタネに対して、エクストラは前菜に留めるべきでした。もしエクストラのボリュームをあそこまでにしてしまうのであれば、アンリミはデザートとしてちょっとだけの夢オチのオマケシナリオ程度の代物に留めるべきでした。そして改めてオルタネでエクストラという完結した話のIF、アナザーとしてのストーリーとして手がけるべきだったように思います。結局これ一本で最後までできなかったからこその次回のオルタネなわけですが、後付でそれらしく煽ったコピーをつけてそこでどれだけの物語を書いて纏め上げたとしても、恐らく最後までこの気持ちの引っかかりに屈するような気がします(注:記述はプレイ当時の情報のみ)。
 キャラ好感度(一応アンリミデット編キャラも混ぜていますが、両方出てくるキャラはエクストラでの好感度)は 御剣冥夜 ≧ 彩峰慧 > 涼宮茜 > 月詠真那 > 珠瀬壬姫 > 一文字鷹嘴 ≧ 社霞 > 白銀武 ≧ 柏木 ≧ 神宮司まりも ≧ 鎧衣美琴 > 珠瀬玄丞斎 > 天野原甚五郎 > 鎧衣尊人 > 榊千鶴 > 香月夕呼 > 京塚志津恵 > 鑑純夏 > 神代巽&巴雪乃&戎美凪 > 天野原翠子 ≧ 沙霧尚哉 > 師岡 > 川副 で。


斬魔大聖デモンベイン 2003,6,14

 このゲームの要素はクトゥルー神話とスーパーロボットのようです。他にもあるのでしょうが、この二つが軸なのは間違いないみたいです。私はその両方とも得手としていないジャンルでして、そこが不安ではあったのですが知らないなりに、判らないなりに、誤解しているなりに楽しめたように思います。
 好きなキャラ順は ウィンフィールド > アル・アジフ > エルザ > ダンセイニ > ドクター・ウェスト > 大十字九郎 > ネロ > ルルイエ異本 > 覇道瑠璃 > ナイア > アトラック・ナチャ > ウェスパシアヌス > ナイトゴーント > クトゥグア > 稲田 > リューガ > ライカ・クルセイド > ネス > ティトゥス > ティベリウス > アリスン > マスターテリオン > ストーン > チアキ > ジョージ > エセルドレーダ > アウグストゥス > カリグラ > マコト > コリン > イタクァ > クラウディウス > ソーニャ で。


塔ノ沢魔術研究会 2003,7,19

 6ヒロイン中眼鏡キャラが二人という最近では珍しい眼鏡比率です。
 話だけ追えば主人公の性格のあんまりさや、ヒロインの精神構造の不可解さや、あまりに御都合過ぎな展開、話の核心部分も突っ込めば説明が説明になっていないという引いて見てみればどれもこれも気になることばかりなのですが、エロを中心として考えて「お話」はエロを彩る代物でしかない――そう考えて捉えれば、心に障りのない受け入れやすい程度の薄さがエロを盛り上げる心地よさに繋がって実に良いです。
 好きなキャラ順は ユーリ > 十条真琴 ≧ 藤代睦美 > 香月沙由里 ≧ ファナ&フェナ ≧ 朝倉こより > 三上恭介 ≧ 朝倉千歳 ≧ 辻浦都 ≧ 羽柴なつみ で。


腐り姫 〜Euthanasia〜 2003,7,20

 シナリオですが私は昔からSFに偏見があるので、普通ではまず解決できないことや説明しきれないことを宇宙レベルに話を持ち上げられるのが好きではありません。地に足が着いていないと落ち着かない地球の重力に魂をひかれた凡人上等です。そんなわけで、あのオチはそうならないと解決できないだろうし、ああすることで一応の決着はついているものの、やっぱり納得しきれないと言いますか、そりゃないよと思ったのも事実です。秀逸なのは毎回四日間の繰り返しをかなりの回数(10回?)続けながらも、一度たりとも同じ文章を使い回しをしていないことでしょう。勿論展開が微妙にそれぞれ違うからということですが、使い廻してもおかしくないシーンでもそうしていないのは凄いです。記憶を小出しに思い出させて繰り返させるという方式は驚きでした。このアイディアは既存のものなのか、考え出したものかは判りませんが本当に上手かったですし、それに似合った話を用意できたのもお見事としか言いようのないものを感じました。
 理解力のある人は楽しかったのでしょうが、私は楽しみきれなかったというのが正直なところです。幾つか解決した謎も、言われなければ気づかなかったという部分も多かったですし、最後の宇宙生物も転生も共に好きなものでなかったというものもあります。ただプレイヤー五樹が既に腐り落ちた後だったという解釈は、驚かされましたし、他にも唸らされるところが沢山ありました。因みに盲点は肯定派で、一番好きなシーンはアワビづくしにウニまみれ。
 好きなキャラ順は クロ ≧ 盲点蔵女 ≧ 簸川潤 ≧ 簸川芳野 > リカルド > 簸川朱音 > 山鹿青磁 ≧ 桐生秀人 ≧ 蔵女 > 簸川夏生 > 簸川五樹 > けーこ > 伊勢きりこ > 簸川樹里 > 田辺&河野 > 那霧清香 > 簸川健昭 > 簸川茂晴 で。


Ever17 -the out of infinity- 2003,8,9

 ゲーム自体は堪能したものの、あれこれ考えると「あれ?」とか思ったりし過ぎて良さを忘れてしまうそうですのであんまり深くは考えておりません。以下、各シナリオ評。

小町つぐみグッド
 こういうツンケンして気難しいお姉様のシナリオの最大の見せ場は「それまでの頑なな態度、姿勢がとける(自分に対してのみだと更に良し)」ところと、「もう失いたくない、今までの自分に戻りたくないとばかりに、必死になってこっちに対して手を伸ばす」ところです。大概、両方あってくれるのですが、今回も堤外ではなく両方そういう見せ場がありました。もうほえほえの満足感たっぷりです。
 結局、彼女は自分の体質の治療法とかではなく、遺恨晴らしのような復讐目的でやってきたっぽい感じでしたが、手ぶらで乗り込んでいってどうするつもりだったんでしょうか。逃亡の身でありながら、わざわざ敵地に乗り込んできたにしては何だか良く判らない感じでした。死ぬことが出来るのならば別に死んだっても構わないと嘯く一方で、窮余な状況下では人並みの死への思いも普通に持ち合わせているのが窺えるキャラになっていたせいで、好感度はかなり高くなっておりました。「死なない自分」への思いは「自分は普通の人とは違う人間とは呼べないもの」や「ものとして人間とは違う扱いを受ける境遇の原因」などの実体験部分のみが優先しているからなのですが、彼女の境遇を考えると理に適っているという言い方は変ですが、そんな感じです。
 憶測ですが、不老不死になったとは言え、彼女はまだ普通の人並みにしか生きておらず「不老」に関しては私達が想像する程度の考えしか持っていないので漠然とした不安のみでそっちに関しては彼女は余裕が無くてあまり考えていないように思いました。ラスト間際のワクチン作りの際の彼女の狼狽は主に前者への危惧であって、周りの人間と違う時間軸を生きることになるという不老不死な存在の陥る部分に関してはあの状況では殆ど考えてもいないと思いましたし。
 彼女のシナリオは武という「生きる」ことを大事に思う存在との出会いによって、彼の言動一致した姿勢によって揺り動かされていくという展開で、そんな彼の「人間性」を眩しく思い、憧れ、惹かれていくという展開で宜しいのでしょうか。
 六日間という時間にして一瞬の輝きだったからこそという部分も意地悪く考えればあったりもしますが、最後の最後まで自分の生き様と美学を貫いていった武とその信奉者にさせられたつぐみの一先ずのお話はとても味わい深いものがありました。

茜ヶ崎空グッド
 ロボット物での王道でもある、人間で無いものを好きになるということの本質をテーマに上げて取り扱うには彼女のような存在は実に良いと思いました。抱きしめる躰が存在しない――この一つが彼女のシナリオにとって大きな重みとなるものではないかと思っていたのですが、流石にそこまでは考え過ぎだった模様です。
 正直、このルートでの倉成武と彼女の二人は空の一人相撲に武が引き摺られる格好での関係となるわけで、それだけに武の彼女への思いは「俺の惚れた女を放っておけるか」というよりも「これほどに素晴らしい空を放っておけるか」という方が近い気がします。興味本位や気紛れ、哀れみや憐憫戸惑い、それらの感情からの昇華した気持ちだと思いますので、どことなく尊敬が混ざった親愛感ではないかと思うのです。
 一方で、空は全く逆でしてこれはもうタガの外れたといいますか、どうしようもない程の烈愛、熱愛です。恋に恋しているという要素がないわけではない……というよりも、根っこの部分はその辺からでしょうが、だからいつか冷めるというものでもありません。武を見据えた時点で、彼女の中ではターゲットロックオン。最後の最後までオンリーワンであることは間違えないのではないでしょうか。感情にふくらみを持たせる類いのバージョンアップでもしない限りは。彼女のシナリオでもつぐみがダイジェスト版のような展開で絡んできてくるのですが、これがまたいい具合になっております。

武バッド
 別名優告白エンド。このルートでしか、彼女が告白することは無いので。ルートとしてはつぐみルートか空ルートから行くのですが、空ルートからの方が選択肢は判りやすいと思います。最後につぐみが出て行ったのは目の前で武が死ぬのを見たくなかったからではないかという仮説を推してみることにします。素で私があの状況に陥ったら一番辿りつきそうなルート。

田中優美清秋香菜グッド&バッド
 正直、つぐみ&空ルートでの武の男っぷりに惚れ惚れしていたもので、今更別人視点でかぁ……というのが乗り気薄な状況でした。特にこのシナリオ自体がどこか腰が定まっていないものがありましですし。話自体に仕掛けがあるので歯切れが悪いのはわかるのですが、それに引き摺られた格好で、キャラの魅力や状況言動などの描写がイマイチ武編に比べて弱く、後にやった筈なのにも関わらず、先の二人よりも印象が薄いという結果に。しかも沙羅ルートほど種明かしもされていないので、どうも落ち着かないまま終わってしまった気がします。バッドは安易な口約束を最後に責められる(憶測)というED。

松永沙羅グッド&バッド
 偶然的であり、必然的であり。鍵を握るキャラと思っていたのですが、全然握っていませんでした。なっきゅという渾名は偶然で片付けるにはちと……あと、似非忍者言葉の由来とか微妙に謎の多い彼女です。いや、別に作中で描いて欲しかったとか説明して欲しいとか言うような部分ではありませんけど。18禁でないので血の繋がった実の妹とのEDも作ることが出来、受け手も自然に受け入れられます。恋愛感情はなさげですが。優ルートもそうですが、どちらかと言うと少年編の方は武編と違い、既に真相解明の話が気になる作りになっているので、感慨が薄いです。
 あと、冒頭でも触れましたが沙羅はイレギュラーとして加わったような一面と、予定調和の一つの一面と混在していて、結局私はどうなんだかわからなくなってしまいました。

八神ココルート
 優や空エンドで散々語られる第三視点は今、この為にあるという展開。一応武からも少年からも入れるのですが、途中からはほぼ共通ルートなのが微妙な作り。エンディングのココとホクトとピピと武のやり取りが無茶苦茶好きです。

 好きなキャラ順は 倉成武 > 小町つぐみ > 茜ヶ崎空 > 田中優美清春香菜 > 松永沙羅 > 田中優美清秋香菜&八神ココ&ホクト&桑古木涼権&ブリックヴィンケル で。


Routes −ルーツ− 2003,8,23

 終わってみると、確かに絶賛するでもなく、貶すでもなくという距離感です。でも平凡というわけでもなく、面白くないということもなく、でも話に酔いしれることもなく評価の言葉が難しい作品です。まず全体的に引っ掛かるのが冒険活劇調というか、大昔の少年漫画の主人公のような設定で押し通したのが気になります。似非シリアスなものではなく、ツッコミ処を多くして、胡散臭い……某氏の言葉を借りればリアルリアルティを抜け出したようなちょっとそれ御都合主義過ぎ、話を上手く運ばせ過ぎで却って嘘臭い、そんな風にこちらを思わせるのを承知で、逆にどんどん思わせるような作りにしたこと、非現実的と口に出すのも馬鹿馬鹿しい雰囲気作りをさせた狙いが気になりました。突拍子も無い話の展開、オチに結び付けても許容できるという以上の理由が結局、思い当たらなかったもので。
 簡単に言えば開き直りの態度を見せて作ってあるという印象です。音楽方面は、納得の一言。同時に、多分事前に何も知らなくて曲だけ聴いて「どこのメーカーのゲーム曲?」と聴かれたら聡くない私でも答えられるだけの「らしさ」が全面的に。作り手の像がここまで明確に浮かぶものなんだと思うと、妙に感心してしまいました。
 好きなキャラ順は 梶原夕菜 ≧ リサ=ヴィクセン ≧ ミルト ≧ 伏見ゆかり > 高井鈴美 > 長瀬源次郎 > エディ > 悪七兵衛景清 > さくや > 湯浅皐月 > 那須宗一 > 那須小二郎 > 那須大八郎 > 伊藤 > 立田七海 > 醍醐 > 大田原光輝 > 篁 > アレキサンダー=D=グロリア > 福原庄蔵 > 和田透 で。


天使のいない12月 2003,9,28

 セックスという現象により自我が芽生えた一組の男女。変わっていく自分を喜ぶ者、苛立つ者、それぞれの思惑が変わっていった二人に引き摺られて周囲を巻き込んでいく……変わっていく人、変わらない人。そして千切れ残った二本の細い糸同士の頼りない結び目――そんなゲームではないかと。
 ここまでセックスを連呼されるのは雫以来な気がして、そう思った時は何か笑ってしまったのですが、この年齢の男女だからこそ考えたり、こじつけたりと真面目に向き合っているのではないでしょうか。三十越えた頃にはもうできないことだと思いますし、だからこそこの時期に思いつめるのも悪くはないかと。
 ゲーム中の彼と彼女等もこれだけ真剣に考えつつ、それぞれの感情やら何やらで歪だろうがなんだろうが関係が続いていって十年ぐらい経てば、平凡なカップルになっていてもそれはそれで驚きはしないような気もします。そんなもんじゃないでしょうか、人間関係なんて。難しくしているのは当人達だけで、関係そのものは単純な代物でしょうし。考え過ぎて気楽に生きられないのは大変ではありますが、幸せなことではないでしょうか。考えることもできずに生きることで精一杯になるよりもずっと。
 好きなキャラ順は 巣鴨文吾 > 須磨寺雪緒 ≧ 麻生明日菜 > 榊しのぶ ≧ 葉月真帆 > 木田恵美梨 ≧ 木田時紀 ≧ 霜村功 > 栗原透子 で。


CROSS†CHANNEL 2003,11,23

 肉体的もしくは精神的に異常がある「障害」。それによって他者を傷つける恐れのある社会不適格者みたいな括りらしいですが、身も蓋もなく言えば主人公の太一以外は、今時の世間様では左程珍しくなくゴロゴロいる人ばかりです(桜庭除く)。一昔はそんなにはいなかったかもしれませんが。その辺の世相からの一つの将来図の可能性という考えで最初から見てしまったせいで、どうしても最終的にはマトモ賛美、健常への努力万歳的な偏考、そして状況や現状にも関わらず確立される家族愛は偉大なりというこのシナリオさんの宗教級の説破が鼻についてしまいました。七香がとか、見里と友貴がとかだけでなく、主人公の太一を中心にしたこの世界そのものでしつこく窺えます。臭い台詞で言えば「絆」あたりが近いかも知れません。もしかしたら友情否定なのでしょうか。保護非保護関係の全くない対等な立場同士での関わりは最後まであったのは、これだけの面子で桜庭浩ただ一人ということを考えると穿って考えてみたくなります。
 気になったキャラ順は 支倉曜子 ≧ 山辺美希 > 桜庭浩 > 黒須太一 > 桐原冬子 > 佐倉霧 > 新川豊 > 七香 > 島友貴 > 宮澄見里 > 榊原潔 > 福原みゆき >堂島遊紗 で。


大番長 2004,1,4

 大悪司までとの比較としては経験値切捨てから繰越に変わったのは本当に嬉しい変更点です。掛け算割り算をしながらギリギリの面子で余さず経験値を引き取ろうという無理なことをしなくなりましたので。同時に能力アップがランダムというのは最初は困りましたが、慣れてくると楽しめる要素の気がしました。自分で割り振るとどうしても攻撃力が優先されがちになるのですが、これだと元々のキャラ特性に沿った形で大体ながら数値にかえってくるので個性に似合った使い方になります。足りない部分は訓練で強化できるというのもナイスな配慮だと思いました。
 キャラクリイベントを沢山用意することで、個々のキャラの見せ場を作ったりする配慮も楽しめました。お陰でヒロインがどうでも良くなる度合いはかなり増しましたけれども。一応それぞれに見せ場を作ってあるのですが。

【お気に入りキャラ:カミラ・バトリー】


Fate/stay night 2004,2,8

 話の構成も良いのですが、このゲームの素晴らしいところは「見せ場」ではないでしょうか。7名のサーヴァント達のそれぞれの実力をこれほどまでに上手く顕せる描き方には打ちのめされるほどでした。単純に出番の入れ替わりに留まらず、誰もが強く、誰もが何かしらの弱点を抱えていることで、一つ間違えば誰が勝者になってもおかしくないという印象を強く持たせられるようになっていたと思います。
 正直、人間達よりも彼ら彼女等の輝きが強く印象に残りました。最後まで我を捨て、己を擦り潰し続けたセイバーの不器用さ、凛ルートでの強く、弱く、そしてまた強いアーチャーの運命の哀しさ、セイバー&凛ルートでそれぞれ己を貫き通したランサーの気高さ、偉大なる英雄でありながらただ寡黙に己が得た大事な一つものの為に命を燃やしたバーサーカーの漢気、餓え続けた果てに見つけた決して報われることのない光明に必死に縋ろうとするキャスターの健気さ、割り切りと諦めを持て余し、翻弄に委ねたライダーの一度きりの我欲、唯一心、それだけを昇華することで自分を創りあげたアサシンの潔さ、そのどれもが一つの柱としてこのストーリーを支えています。
 それに比べると凛と桜のダブルヒロインにボスキャラのギルガメッシュにラスボスの綺礼達は、正直「輝き」という一点に於いては負けます。この物語の狂言回しという点では主人公を除けばサーヴァント達の添え物と言っても良いほどでした。主人公の物語でありながら、それと同等、もしくはそれ以上に彼ら彼女らの「存在」を「輝かせる」ものだった気がします。唯一彼ら彼女らと張り合えるのは役割的にはほぼ同じだったイリヤ嬢のみでしょう。
 何気にセイバールートだと凛が、凛ルートだと藤村女史が、桜ルートだと桜が一人家に残ることで衛宮家残留面子がそれぞれ違ってくる部分など細かいところでも細工が効いていて良かったです。
 好きなキャラ順は セイバー > イリヤ > キャスター ≧ ライダー ≧ アーチャー ≧ 遠坂凛 > アサシン ≧ ランサー ≧ 柳洞一成 ≧ バーサーカー > ギルガメッシュ > 真アサシン > 葛木宗一郎 > 言峰綺礼 ≧ 美綴綾子 > 衛宮切嗣 > 間桐桜 > 衛宮士郎 > 藤村大河 > 間桐臓硯 > 間桐慎二 で。


PARADISE LOST 2004,4,18

 物語という舞台に対して、世界観や設定を思う存分膨らました物語を作っておいて、それを見せることだけに終始躍起になっているという言い方が一番近いのでしょうか。最重要視しているのが「自分の作った世界」になっているので、全登場人物がその為の駒になっていて、キャラクターというものが酷くぞんざいです。あるのは道中使い捨てにされる雑魚、話を円滑に進めるための脇役、話を定められた通りなぞるだけの主要人物で、軍記物というを読んでいるようなという言い方で正しいのか判りませんが、主役もヒロインも存在しないに等しい読み物になっていました。
 キャラクターを疎かにしているせいで、話の進み方が性急かつ稚拙になってしまって、先へ展開を進める為に思考能力が凍ったようにキャラが拙速することで辻褄が合わずに展開が繋がらず、考えているものを一つでも多く詰め込むためにと思わせぶりの伏線をバシバシ張って話を膨らませ、それを説明台詞のように消化させていくことで、それを描くキャラクターが非常に浅く感じられてしまいました。
 本編よりも設定資料集の方を重視するような話作りをしている印象を覚えました。ですので、出鱈目な動きをするジューダス・ストライフが異常に光ります。他のキャラが仮初にも筋道立てて動こうとするので、その筋道への展開が強引で説明が足りない描写不足でどうにも魅力の薄い考えの浅いキャラになり下がらざるを得ないのに対して、最初から理不尽と出鱈目と闇雲を背景とした賑やかし屋である彼が、唯一このバランスの悪い話の中で「生きて」いました。
 一つの完結した読み物を、切り裂いて分岐を作ったりしてシナリオにしたものに思えるぐらいに中途の実質的な展開はありませんでしたが、面白かったのがエロシーンです。その導入に無理があるという以上に、「どうしてそこに?」と思うような急展開でエロシーンというのが幾つか。もしかしたらその大元のシナリオさんのテキストにエロシーンだけを挿入する人がいて、割り込めそうな部分を探して割り込まそうとしたのではないかと思えるぐらいに不自然さがありました。
 好きなキャラクター順はパスで。強いてあげれば男キャラはジューダス・ストライフ、ナハト、ギース・クレメンスの順で。女キャラはアスタロス、エニス・カーディナル、デザード・グレイブで。


Canvas2 〜茜色のパレット〜 2004,5,1

 Canvasと同じシステムなので、昼食時と放課後にヒロインの居場所に行って付きまとうわけで、主人公の教師という立場を考えるとどうしてもその行動は破廉恥教師そのものにしか見えません。言動も結構アレなところもありますので、美咲菫シナリオでは彼女の性格が判らない初期には本気で嫌がられているのではないかと思っていました。因みに現実世界でこの主人公と同じ真似をしていたら、女子生徒で噂になる嫌らしい教師のレッテルを間違いなく貼られます。顔立ちももっと宜しくなければ、訴えられる可能性もあるかと。女子生徒を付回すというのはそのぐらいリスクの高い行為であると思いつつも、ゲームなので平然と朝駆け夜討ちと繰り返します。エリス、霧、可奈と違って彼女とは親愛度が低いので、作中でどう感情が膨らんでいくかという部分を楽しみにしていたのですが……気がついたら何か既にテンパった処にまで至っていました。シナリオとして好感度アップらしいイベントもそうなかった気がするのですが……。ただその一方で彼女自身の性格作りが面白く、後半になるにつれ徐々にこの手のキャラにある「無愛想に見えて感情表現が苦手なキャラ」ではないところが見えてくるのが良かったです。成績の話とHシーンの時の会話はかなり好きです。絵の事よりも彼女のことを中心にしたシナリオになると思っていたので、流れとしてはかなり予想外で楽しめました。最初に一方的に付きまとって親密度を上げておきながら、向こうが寄ってくると何を調子に乗っているんだと突き放す自分の都合の良いとこ取りをしていた主人公のキレ方は些か鼻白む部分もあったのですが、主人公の性格がわかってからは嫌悪とは別に納得はできましたし。
 桔梗霧シナリオでは過去のすれ違いは冒頭で語られ、事件の事情と和解は共通ルートだったもので、どう改めた見せ場を用意するかが期待だったのですが何か横ばいのままでした。彼女を追い駆けていくと主人公の性格がよくわかります。色々ありますが一言で言えば「ガキ」というところでしょうか。自分勝手に我侭に甘えて拗ねて寄りかかれるだけ寄りかかるという姿はかなり頭を抱えさせられました。一番の見せ場はクリスマスのマフラーでして、意図して並べたのかはわかりませんがエリスの留学問題の直後に挟んでいるのが、かなり面白かったです。順番としては彼女を先にやったので左程引っ掛からなかったのですが、もしエリスシナリオを先にやっていたらかなり色褪せたのではないでしょうか。終盤を共通ルートにするのは構わないのですが、単に付け足した形にするのではなく、もうちょっと区別があると良かった気もしました。
 萩野可奈シナリオでは彼女がどうして主人公を慕うのかが結構わからなかったので、最後の方で解き明かされた話は、悪く無かったです。ただその語られた内容そのものは前作よりもこみパを思い出したのではありますが。一番エロシーンが唐突で、後半に向かう話の流れに至るまではおかしかったです。大筋の流れというか、こういう風に話を持って行きたいというのは薄々感じられるのですが、ゲームシナリオを眺めて理解できるというだけで、ストーリーとして読み進めて頷けるというものではなかったもので。ラストシーンは悪くなかったのですが、そこに行き着くまでの部分が全体的に今一歩でした。一番の問題は紫衣の使い方で、努力は理解できても成果はちょっと……という実感でして、よく判らないまま暴走して仲が纏まってしまったという感に。ライバル心を剥き出しにしてつっかかってくるという導入まではいいのですが、彼女の肝心要の切り札が切り札になりえない事と、可奈のキャラからしてそれが功を為さない事がわかりきっていることが敗因かと。盗作されても黙って諦めているという事は、少なくても可奈や紫衣にとって主人公を追い詰めるような材料にはならないかと。逆に盗作したと誤解しているとかしない限りは……あと、悪い人じゃないとさせ過ぎたのも、話に一本の筋が通らなかった部分も。彼女に乗り換えがないのでしたら、エンディングが二つある必要もないですし。苦労は認めるけど、苦労が結果になっていない印象を。
 鷺ノ宮紗綾シナリオではガキである主人公を正面から受け止めてくれるのはお姉さんキャラしかいないわけで、期待しておりました。見境なく理不尽にも噛み付いてきた主人公に対して言い返した彼女は大人の女性というものではありませんでしたが、振り回されないという部分を見せてくれたり、柳を問い詰めるという暴走をしたり、陰で自責にかられていたりする姿はかなり良かったです。実質、前作キャラの近況を語るオマケキャラという扱いになるのではないかというゲーム前の危惧を払拭する、実に楽しいシナリオでした。唯一主人公が追い詰められる前に自分で自分に向き合えることになる部分もかなり良かったです。
 鳳仙エリスではメインヒロインのシナリオということで、お約束を抑えていてそつがない分面白みは大分欠けました。特に悪いものはないのですが、意外性は皆無に近かったのと、共通ルートと霧ルートで彼女の魅力は結構出ていたので、このルートで新発見した彼女の良さというのが全く無かったのが残念です。嫌いというわけではないのですが。主人公の教師としての姿勢がかなり気になりまして、どう見ても柳やエリスの語る主人公の教師としての姿と、ゲーム中の部分が重ならないのが特に。教えを請う薫をもう終わりだからと面倒臭がってあしらうシーンなど幾つか見ていると……。最後のエピローグのエリスの台詞は仕方がないとは言え、説明台詞過ぎでした。
 因みにBADENDも主人公が立ち直って前向きになるというそれ程後味の悪いものではないので、一度は見てみるといいかも知れません。
 好きなシナリオ順は 鷺ノ宮紗綾 > 美咲菫 > 桔梗霧 > 鳳仙エリス > 萩野可奈 で。好きなキャラ順は 美咲菫 > 鷺ノ宮紗綾 > 桔梗霧 > 鳳仙エリス > 萩野可奈 > 柳慎一郎 > 杉原紫衣 > 上倉浩樹 で。


アルルゥとあそぼ!! 2004,5,8

 ウィツァルネミテア戦記では使えるキャラと使えないキャラの差がかなり激しく、一長一短というよりもどのキャラもかなり厳しい一短を抱えているという感じがしました。個人的には ゲンジマル、ディー、ムツミ、ドリィ、カミュ、グラァ、トウカ、カンホルダリ、クロウ、ベナウィ、カルラ、アルルゥ、スオンカス、オリカカン、オボロ、ハクオロ、ニウェ、ササンテ、ウルトリィ、デリホウライ、クーヤ、テオロ、ヌワンギ、エルルゥ の順で使えるような。一回しかプレイしていないキャラも多いので、あくまでそんな気がするという程度で。ご褒美CGはクーヤ&サクヤで、文字なし版を期待したのですがないみたいです。
 りーぽんはポンジャンゲーでして、アルルゥにかなり梃子摺りましたが結構面白いです。技は一発ツモが一番使えまして、牌交換はあんまり効果的ではありませんでした。
 リーフの塔では何故か健太郎が何気に一番敵から狙われませんでした。全体コマンドの「狙う」が全然効かなかったような気がしまして、苦労しました。戦略を駆使するよりもレベルを上げることを重視した方が良いです。序盤は何とかなっても結局終盤では高いレベルが必要になりますので。相性は中盤からは敵が満遍なくなることであまり関係なくなります。敵の倒し方は基本通りに真っ先に回復役、次いで魔術系を優先的に潰さないとレベルがあっても苦戦します。プレイスタイルは基本的に健太郎と宗一は固定で、皐月か月代を置いて最後に回復役か魔法役をおくメンバーで戦いました。でも何故かリアンは最後まで一度も使いませんでしたが。ラストバトルはレベルMAX50で尚且つ効率よく戦わないといけなく、苦労しました。最終メンバーは健太郎、宗一、皐月、エルルゥで。

【お気に入りキャラ:ニウェ】


CLANNAD 2004,5,15

 肝心のシナリオですが、正直に言わせていただくと私は疎外感を感じました。喩えるなら室内で盛り上がっているパーティーを窓の外から眺めているような……入り込めないものがありました。泣いた、感動したという人は室内に入れた人で、引いた目で見るしかなかった、ピンと来なかった、わかるけど何か違うというような感じを抱いた人は私のように外にいた人ではないかと。決して悪くは無いので、単純に合う合わないの問題かもしれません。今回はAIRのやりたいことをやるためだけに暴走したという反省があったのか、終始プレイヤーを気遣ったようなシナリオ作りになっていた気がします。キャラクター作りから、舞台の背景や構成など、かなり練ったものを感じました。ただ、これはたまたまかも知れませんが、メインのシナリオさんの話の作り方が「展開の為の感情、行動」になっていた気がしまして、それが主軸の方ということもあり、距離感というか「見せられている」という感覚を覚えました。特に選択肢そのものやその前後の行動が露骨に用意された先の展開へ誘導されていて、主人公という個人が考えて動いたというようには思えませんでした。そしてその展開や、それをすることで受け取らせる物語のテーマそのものが、私とは相容れないものであったりしたもので、このCLANNADという舞台では私は余所者であるという印象を深く感じました。ですので、以前Kanonの時に伊勢さんと共感した「泣かなかったけど泣こうと努力すれば泣けた」という話に没入できるものが、今回はありませんでした。AIRの時に嫌悪感すら感じたものが、今回は露骨になかったものの、それなりに感じ取れたもので、どこか引いた目で見てしまいました。
 総評としては麻枝准さんが拘るものは私はやっぱり苦手のようです。ゲームタイトルからして、合う合わないはわかりきっていたのではありますが。そして改めて、麻枝さんの事件現象ありきのキャラの思考行動という誘導の強引さが私は不満でした。AIRがママ万歳で、これがパパ万歳。正直、父親という存在をどう捉えているかによって、直幸への見方はかなり違うと思います。あと、シナリオ担当差かどうか知りませんが、それぞれの教師の描写にかなり差が。
 バスケメンバーや春原の偽恋人探し、占いイベントに、名前変更での台詞変化に卒業式のメンバーフラグなど、細に渡って芸を凝らしていて実に圧巻でした。
 好きなシナリオ順は 一ノ瀬ことみ > 幸村俊夫 > 草野球 > 春原陽平 > 伊吹風子 > 藤林椋 > 坂上智代 > 古河秋生 > 宮沢有紀寧 > 相楽美佐枝 > 岡崎渚 > 藤林杏 > 柊勝平 > 岡崎汐 > 古河渚 > 春原芽衣 で。どちらかというと、単純に話が好き嫌い以上に不満点とか許容部分とかその辺のバランスから読み心地の良さを優先したような並びに。に好きなキャラ順は  藤林杏 > 坂上智代 ≧ 一ノ瀬ことみ ≧ 藤林椋 ≧ 宮沢有紀寧 > 古河早苗 ≧ 古河秋生 ≧ 芳野祐介 > 仁科りえ > 春原芽衣 > 幸村俊夫 ≧ 伊吹公子 > 相楽美佐枝 > 春原陽平 > 伊吹風子 > 岡崎朋也 > 古河渚 ≧ 岡崎汐 > 柊勝平 > 岡崎直幸 で。


ままにょにょ 2004,7,4

 メンバーの役割しては、最前線で敵の攻撃を食い止める「壁役」、壁の後ろで敵に止めを刺す「殺し役」、障害物や味方に阻まれて叩けない敵を遠距離攻撃で倒す「撃ち役」にてまとめました。

壁キャラ
 防御力を強化して、敵攻撃を1で止める存在。素養としては元の防御力が高いことで、守護の数珠(長靴に入った猫)を並べて最前線に飛び出させます。これらキャラの特徴としては攻撃を受けることを前提にしているので、炎の指輪を並べてカウンター能力を強化しました。敵は自分の攻撃範囲内の体力の一番少ない味方に襲い掛かるので、レベルやアイテムで調整して仲間より少しだけ体力が少なくなるように調整しないと思うようにならないので要注意。魔抵をあげられたら理想ですが、防御力と魔抵力の両方元の数字が良いキャラがそういないのと、アイテム欄の都合もあり、魔抵に関しては無視して、魔法を使う敵を最初に潰すことを徹底させました。

一撃必殺キャラ
 その名の通り、敵を一撃で潰すキャラです。必要なのは攻撃力のみですので、特に問題もなく、好みで選べます。ドラ猫の鈴(DX爆猿皇)を多めに並べて、倒せる敵を確実に倒す存在に仕立てるのが大事です。あと、ミスを無くす為にももじゃ人形(瓢箪目薬)で命中度の不足分を補うのも忘れずに。体力馬鹿の敵は壁役に任せる戦い方をすればカレーうどんなどに頼る必要もないので、攻撃をする敵を生き残らせないようにすることだけ気をつければ大丈夫です。その為にも身軽の羽(ロケットエンジン)で狙った敵に届く機動力を確保しましょう。

二列目キャラ
 基本的には普通の攻撃キャラです。ダイヤチェーン(バトル荒法師)を一つ持たせることで、障害物や落とし穴越しの敵や壁役が体力を削った敵の相手をさせる存在です。アイテムが充実した後半からは一撃必殺キャラとあんまり変わらなくなってしまった部分もあるのですが、他のキャラが倒し損ねた敵を叩くフォロー役という意味合いで用意しました。適正は再行動能力がある部分で、金の指輪を並べました。

後方支援キャラ
 魔法や長距離攻撃を持つキャラ。基本的に代わりが効かない存在です。必要なのは移動と射程で、余裕があれば効果拡大のエメラルドの指輪を持たせます。基本的に近距離組では届かない敵の魔法使いを最優先で叩く仕事が主なので、一撃で潰せる攻撃力も必須です。敵の魔法使い系は体力が低いので、それほど並べる必要はありませんが。そしてこの役割を担うキャラは高コストになる場合も多いので、女神の指輪を並べるケースもこのクラスにはあるかも知れません。

 まとめとして回避をあてにしない方針を貫きました。敵の攻撃は壁役が全部担当することでクリアしました。ふっとばしも殆ど意味がないので、真珠の指輪も廃棄ルートに。運頼みをしないという点でクリティカルも無視。4コマも費やす暇があったらドラ猫の鈴(DX爆猿皇)を四つ並べるという方針で。命中度は低いキャラだけ瓢箪目薬を一つか二つ、もじゃ人形が出てからはそれぞれ一人に一個置く事に。チームとして入れ替えを行っているので、ハニージッポなども持たせないで済みました。お金と巫女絵馬を出来るだけ集められるように低い能力アップアイテムも全て捨てる方向で。あと、魔法使いを軽視した面子だったので魔法力なアイテムも殆ど全て廃棄の方向で進めた点も付け加えておきます。MVPは比良坂初音。連続攻撃は土岐遙の9回でした。

【お気に入りキャラ:鈴麗蘭】


3days 〜満ちてゆく刻の彼方で〜 2004,7,4

 シナリオですが簡単に言えば竜頭蛇尾ですが、収拾がつかなくなったのか、手違いが生じて予定のものにならなかったのか、非常に終盤はドタバタしています。初めの頃はかなり好感触でした。話の進ませ方が分からなかった最初は行き詰っていましたが、三日間の様々な行動で知ることの出来るあらゆる情報をその三日間を延々と繰り返すことで全て得ることで、真相に辿り着くという、あっさり言ってしまえば選択肢をほぼ全部虱潰しにしていくものだとわかってからは、面白く遊ばせて貰いました。
 基本的には僅かな行動の差によって違う三日目を迎え続けることで、危機回避能力や情報を蓄えていき、未然の行動を増やして行くというパターンでしたが、結局は三日目には死が避けられず、最後の頃になって新たに得た情報などでこの問題を解決できる存在は美柚しかおらず、彼女の死んでしまった三日前からではどうしようもないということに辿り着き、三日前の前日に戻る方法を考案するという話の動かし方はとても面白かったです。ただそこからはそこまでの舞台を整えることで力尽きてしまったのか、後追い説明を軸とした展開になってしまっています。壮大な話に持ち込んだり、実質一本道に近いルートを突き進ませることはいいのですが、肝心の各ヒロインENDに至るやり方などは「選択肢で選んだから」という以外の理由のないところなのが散々です。せめて直前で見せ場を作って、過去の記憶の中でのその対象との思い出を重ねることでその相手を強く意識するとかあって欲しかった気がします。あと何故主人公orたまきをわざわざ決まって三日後に殺すのか等の疑問点が幾つか残りました。こっちの正体とからくりを知っているからこそ美柚殺害が間に合わない三日目以降なのかとも思いましたら、違いましたし。複数のシナリオライター同士の調整が上手くいかなかったとかなのでしょうか。
 先に「プレイヤーに選択肢を全て選ばせよう」があって、それに適したシナリオを考え出したように個人的には推測しました。何にせよ巧い考えだと思います。ただそこまでで、収拾がつかないまま無理矢理話を大きくして明確な敵を作ってさあそいつさえ倒せばOKさという力技が前半の精巧さを台無しにしてしまったと感じるのは私だけでしょうか。
 キャラの好感度は 柊美柚 ≧ 千神奈々子 > 吾妻梨花 ≧ 広原月子 ≧ 高橋成美 > ヴァルター・ディートリヒ > 吾妻瑠花 > 草壁遼一 > 吾妻友哉 > 藤見たまき > 富岡 の順で。


そらうた 2004,9,5

 舞台は四国香川観音寺と実際ある地名を明確に説明してあるのは珍しいような。面白い工夫としては主人公の一人称で、地の文だと「僕」で、人と喋るときは「俺」なのがちょっと面白かったです。珍しい気がしたので。大まかな作りは共通ルートがあって基本的に一つの選択肢でそれぞれのヒロインに分岐していく形のようです。そして全員終わったら解決編が出現します。
 ヒロインルートに入ってからは話が独立してしまうので、出てこないキャラは見事に出てこないように。具体的に言えば絵本組の話になるとあれだけ攻勢をかけて来た知夏が「一週間放っておいてくれ」の一言でピタリと登場することを止めてしまいます。共通パートではちょっと他のキャラと喋っただけで大騒ぎし、人の後を付けまわしさえしたキャラにしては呆気無さ過ぎです。真奈達も葵ルートだと全く出てこなくなるのであれからどうなったのかとか、気にしない主人公にも関わってこない向こう側にも違和感を覚えます。この辺が昔の細かいところまで考えていない頃のゲームっぽい雰囲気が。
 共通ルート以降の分岐からは複数のライターさんで担当が分かれている作りなのでしょうが、兆通ルートを知ってから書いているとは思えない話の展開の拙速ぶりが目立ちました。具体的に言えば主人公の感情の沸点が低過ぎで、接して間もない貴方が何でここまで?と思えるような暴走言動に対して唖然とさせられてしまいました。何に対しても感動しないという設定自体が激しく嘘臭くなってしまってます。普通の人より情緒豊か過ぎです。都会の人間の心の冷たさを知らない田舎の少年の思い込みだと思うぐらいしか解釈しようがありません。狙ってやっていると思いたいのですが、その割にはフォローらしいフォローがされていないので微妙です。
 共通ルートをただの「分岐までの紹介」部分だけでなく、「各ヒロインと確りと仲良くなる」部分ぐらいまで描いて欲しかったです。そうすれば、唐突感も薄れるでしょうし。もしくは各ルートからの時間を増やすとか。どちらにせよ昔からの知り合いの二人以外はほんの数日間で知り合ってからラブるまで超一直線で、そうなるまでの感情の機微が殆どありません。全キャラが異常なほどの思い込みの激しい性格があると解釈すれば何とかというレベルだと。
「ひたむきに一人の人を愛することとは、他の人を傷つけることも避けられない事があるのです。愛とは残酷なのです」というようなテーマだったようです。甘っちょろい理想論、信じていれば何とかなるという傾向が王道で、そうしないやり方だと殊更キツく厳しく救われない展開を持ち出すことが多いなか、こうしたやり方でエゴにならざるを得ない厳しさ部分を出した作品にしようとしたのは良かったと思います。
 多分心が壊れたという主人公を誰もが心配的です系博愛っぽい性格にすることで、心を持って一人の人を愛することはかなり傲慢になることなんだみたいな頷かせ方をさせたかったのかも知れませんが、肝心の主人公がシナリオの都合で即キレ君状態になってしまったせいで、イマイチ頷けない感じになってしまいました。
 そんなわけでケチを付けたいのはほぼ全てゲーム内時間の短さから来る、異常な急展開モードが。確かにじっくり一ヶ月以上かけて話を続ける形にするのは厳しいのかも知れませんが、それならばテキストで練ってフォローして欲しかったです。こういう話にしようと大まかな流れを考えた人がきちんと話をライター全員に通せたのかどうか、結構微妙です。何か与えられた課題を思い思いにこなしただけという各ルートでしたので。
 好きなキャラ順は 永澄真奈 > 小西霊子 ≧ 瀬戸内葵 > 関口葵 > 夕凪澪 > 犬伏薫 ≧ 冴木真矢 > 佐伯知夏 > 犬伏トモカ で。


てこいれぷりんせす! 〜僕が見えない君のため〜 2004,9,25

 絵柄に関しては所謂ギャルゲ絵ではなくエロ漫画絵風でして、俗に言うアヘ顔に力を入れるタイプのようです。特に目が凄いことになっているシーンが幾つか。全体的な評価としては、表情の描き分けなどが好印象でした。A−10さんの漫画は読んでいると思います。GPMの同人誌も拝見した記憶が。
 シナリオ自体にはどれに対しても不満はありませんでした。主人公のミツルも人として心の弱さを隠さず、頭の鈍さに逃げず、過酷な部分に正面から向き合える厳しさが素敵です。子供であるという未熟さや甘さを出しながら、突如として急成長して打破するという都合の良い動かし方にせず、弱いが故に安易に流され聞き分けのない子供だからこそ怯むところを押し通すという立場の使い方という部分が好印象でした。
 二週間遊び呆けていたに等しい主人公に対して、各ヒロインが内面に抱えていたものをぶつける事で、緩みきっていた横っ面を叩かれるような展開を見せておくシナリオの一方で、周囲の人達が優しいです。蔑んだり突き放すのではなく、かといって甘やかすことなく暖かく見守り、応援でもするような立ち位置にすることで本当に主人公、プレイヤーに対してとても優しい作り方になっているように思いました。TRUEは一応それまで放置していた謎部分を説明して、エロ部分でのオマケ的意味合いを込めたハーレムエンド作りなのですが……分岐がメルヴェールルートのラストからということもあってか、あんまりこれといったものを感じないままでした。蛇足とは言いませんが、とってつけたような印象が構成に勝ってしまった感が。
 メルヴェールシナリオで全体に満足して、フランシェスカシナリオの終盤で厳しさと優しさの分配に読み入って、エヴァンジェリンシナリオでキャラクターに魅力を覚えて、ソーニャルートにチクチクとした痛みを抱えるという感じでした。アルトワネットルートは印象が他所に負け、TRUEに至っては白けに似たものも覚えたりしたのではありますが、総じて言えば「良かったです」の一言に尽きます。
 アイテムシステムは面白かったです。外れた使い道も幾つかあるともっと面白かったですが、別に拘るほどではなく。主人公の心情言動その他に関してエロに走る部分と、引き際を知らない部分を抜かせばストレスをあまり感じず、気分良く読めたので良かったです。楽しめたらいいなぁと思っていたので、楽しめてよかったです。
 好きなキャラ順は エヴァンジェリン ≧ ソーニャ > 司祭 ≧ お父さん ≧ メルヴェール > セネカ ≧ フランシェスカ > アルトワネット > ミツル > デネブ > カリアッハベーラ で。


ひなたぼっこ 2004,10,10

 おそらくこれをプレイした人が大概思うであろうことですが「後半が一気過ぎで、しかも短い」点が非常に残念でした。折角魅力あるキャラを用意できて、シナリオも平凡ながら楽しめる作りで、いい雰囲気に浸れていただけに残念さが強く残りました。せめてゲーム時間であと一ヶ月は欲しかったところです。各キャラに転ぶのが唐突になってしまい、分岐したと思ったらあっと言う間に終わってしまったというのが、良作の予感を消してしまう羽目に。序盤からこのゲームが作り出していた空気がとても心地よく気に入っていただけに、非常に残念です。個別のイベントが殆どないせいで、中盤に入るべき共通級のイベントを後半にずらしたりしてしまって、シナリオの重みを無くしてしまってました。一つ一つの出来事は奇抜なものもないのに、非常に安心して読めたという感動がちょっと損ねてしまいました。はっきり言って、非常に残念です。唯一の伏線らしい如月方面の伏線も殆ど活きないで終わってしまいましたし。
 キャラ好感度順は 如月静馬 ≧ 柊奈月 ≧ 如月涼乃 ≧ 柊日向 > 柊七瀬 ≧ 九条水 > 速水夏樹 > 九条氷 > 速水小春 > コマ・イヌ で。


六ツ星きらり 2004,12,18

 特徴の一つであるサイティングシステムはキャラを選んでいる途中からテキストが それぞれ違ったりしてかなり凝っていました。これはかなり面白かったです。  シナリオがとても良かったです。それぞれのTRUEENDは勿論、NORMAL(BAD)もキャラの抱える問題は棚上げにされてしまうものもありましたが、総じて「この二人らしい」みたいな関係が描けていたように思いました。出来自体でもすばるの帰省ENDや輝星と教室で再会ENDなどはもうちょっと引っ張ってもいいぐらいに良かったです。
 キャラクターによってはそのキャラのルートよりも、他のルートで良い味を出していて好感度が高まったキャラも出ていたりして、使い方の上手さを感じました。空ルート以外のすばるや、ほくとルートでの慧など、ここぞのシーンや些細な小イベントなどで魅力を見せて貰いました。テキストの誤字などは注意力散漫な私が気付く域なので割と少なくなかった感があります。あと、台詞の綴じで」」と二つ重なっているミスが多かったのはライターさんの癖でしょうか。画像展示もアップと普通の立ち絵が重なってしまったミスを初め、幾つかありました。青春というよりも人間味とか人情などを感じさせてもらえるゲームでした。
 好きなキャラ順は 天河輝星 ≧ 荒木都子 ≧ 茜空 ≧ 相馬和彦 > 月形奈津 > 荒木剣司 ≧ ほくと ≧ 早坂良太 ≧ 日野慧 ≧ 東雲智樹 ≧ 乾つぐみ ≧ 円城セリ ≧ 星見すばる ≧ 星見太一 で。


らくえん 〜あいかわらずなぼく。の場合〜 2005,1,9

 シナリオは各ルートによって制作進行や周囲の経過も違うので、行動や結果も変わってくるタイプでした。どうしようもない僕な主人公なのでどんな選択肢を選ぼうとも、必ず誰かが何とかしてくれる―――という意味合いがあるらしく誰かのENDINGには辿りつくらしいです。徹底的に全員のフラグを潰していったら可憐のルートに乗りかかって、彼女のフラグを否定する選択肢を選んだら、終盤だけで杏ルートが確定していました、とか。至れり尽くせりかも知れませんが、下手にルートに乗るのでCGの取りこぼしが心配で、それが上記の危惧に繋がっていたりしました。巷で共感が多かったのはみかルートのブランド取潰しでしょうか。可憐ルートだと親会社から倒産したりしましたし、亜季ルートだと他では最後の最後まで終わらない主人公の原画作業が割り合い早めに終わっていたりします。杏ルートだと他よりも一層主人公が切羽詰ってますし、紗絵ルートだと主人公の尖り具合がかなりイタいです。エンディング後の可憐やカントクの動静も微妙に異なっていたりします。プレイ順番は御守みか、美柴可憐、千倉紗絵、杏、亜季、ぼくのたいせつなものの順番で。  好きなキャラは一応、御守みか、杏、亜季、美柴可憐、千倉紗絵の順で。5ヒロイン中地味なお方一人を除く四キャラだと特に差はありません。駄目人間である僕を駄目のまま愛してくれる彼女らは、駄目人間である私にとってこれ以上ない理想的な状況下なもので。ヒモこそが史上最強と信じる私からすれば、みかと杏は特にこれ以上ない二人です。堕落万歳。可憐は彼女ルートで男前度がなくなってしまうのが、仕方がないのですが残念です。


DALK外伝 2005,2,5

 攻略のヒントとしては特にありませんが、強いて挙げれば魔法よりも攻撃キャラを作らないと辛いです。あとマーティスのレベルは余裕を見つけて巨体神迷宮編で上げておいた方がいいです。グナガン迷宮の中盤でレベルアップが一気に困難になる羽目が待ち受けているもので。私はロヴディンナーグ戦以降は遂に一回も上がりませんでした。ただグナガン戦はもう彼に頼ることはなくなるので必要はないのですが。
 アイテムに関しては「小は大を兼ねる」なので、2x2のレザーヘルムは捨てずに置いておくといいこともあります。例えば4x4のアイアンシールドより2x2のレザーヘルムを四個並べた方が数値が良いということもありますし。並び替え次第で置けなかったものが置けたりするようになるので代わりのないものは余っても置いていくといいかもしれません。勿論余裕があればの話ですが。命中ろうそくは最低各キャラ一個置いてました。クラスが上がってからは要らないキャラも出ますが。目安は序盤は10後半、終盤は20以上でしょうか。一度も攻撃ミスは出ませんでした。これは好みですが、私はアリスのこの手のゲームはクリティカルに期待しないので、印籠は捨ててました。スペースの大きさを考えると割に合わない気がするので。後は必殺ドリンクは必要に応じて使うケースはあまりなかったのでレベル上げの為に利用していました。私のようにレベルの横並びを気にしない人は、もっと多用してもいいかも知れません。アイテム入手の問題もあるので難しいかもしれませんが。

【お気に入りキャラ:時子】


レベルジャスティス 2005,3,25

 ゲームバランスは良かったですが、欲を言えば怪人が複数必要になるようなものが欲しかったです。お気に入りを一人作って育ててしまうだけで何とかなってしまい、複数の怪人を育てるのは趣味以上のものがなくなってしまいました。例えばセーフスター相手には団体戦が必要になるとか。攻撃手段の組み合わせでボーナスがついたりするのが面白かったので、属性を持たせた三怪人ぐらいでチームプレイを取らせてその組み合わせで強弱が変わってくるというのも楽しいのではないかとか。属性というものをつけると単体でもマップ毎に相性の良い怪人があるとかだと幾つか育てる気にもなったでしょうし。あと基本的にどうでも良い絵面の怪人は色違いで複数あってもしょうがなく。ネトは数多過ぎです。祝福キャラシリーズもどうかと思いますが。不確定条件のレアはつぎ込んだコインが全く生かされていないステータスの真ドールマスターしか出ませんでした。ロードシステムがイマイチなので、失敗してやり直すのに面倒なのが難です。それと怪人作成は作成しないでキャンセルしても一日消費するのを初め知らなかったので日数計算が合わなくて難儀しました。臨時作戦や臨時配分は消費しないので。
 設定が身近なこともあってか巣作りドラゴンよりも魅力のあるゲームでした。ただ何度もやれるゲームかどうかは微妙なところで、怪人達も数の割には使ってみたいと思わせるものはレアを抜くとそれほど少ないのも残念でした。無理な注文ですが、これらの怪人達にもイベントがあると物凄く嬉しいかったのです。
 好きなキャラクター順は ドクロ元帥 > 柳川千夜 > キリッサ > 烈震 ≧ 唐紅葉月 ≧ イビルシスター > ウーリン > シアシア ≧ アーネウス ≧ ヘルオー ≧ オッパイ美砕流 > 忍者 > 間崎千早 ≧ 裏ドールマスター ≧ ウェイトレス > ルトワー > 涼屋綾菜 > 空野詩織 > 虎月 > ネト > リンザ > 久留間 > 神代美香 > スパイラルレッド > 力王 で。


秋色恋華 2005,4,17

 シナリオが見事にピンキリで事前の情報と私が感じたものはかなりかけ離れた結果になりました。問題は伊吹シナリオと真由シナリオです。一方で良かったのは香澄シナリオと、葵シナリオでした。序盤の共通ルートでは自分なりの筋があるはた迷惑ながらも気のいい主人公という感触で捉えていたのですが、その二人の個別ルートに入るとどうもその描かれ方からして人間性にマイナス補正がつくことで、序盤の行動すらも調子がいいだけの無責任野郎として見なければいけなくなるような弊害が。各ライターさんがどんな振り分けでそれぞれどう書いたのかは知りませんが、伊吹シナリオでは取り繕いの口先だけでどこか逃げ腰になっているチキンにしかなりませんですし、真由シナリオでは主人公が基本設定やこれまでの共通イベントで築き上げてきたキャラクターを擲つようなエロゲプレイボーイになってしまっていて共に辛かったです。
 おおまかにシナリオの流れとしてはどのルートでもお約束重視の手堅いものにしてありました。それだけにシナリオさんの力量が差を生んだようにも思えます。最近の風潮であるシナリオさんの予定の都合に合わせてキャラを露骨に誘導するのも困りますが、自分の予定調和にとって不都合なことはキャラに気付かせず踏み込ませずというのも困ります。それをすることなく、もしくは勘繰らせることなく描ききることの出来ていた葵ルートは満足がいく話でした。
 好きなキャラ順は 新山葵 > 世良香澄 > 戸倉翼 ≧ 戸倉真由 > 南条伊吹 > 佐川英里子 > 小暮史佳 > 生方蘭子 で。


パルフェ ショコラ second brew 2005,5,2

 里伽子シナリオを始めるまでは、どちらかと言えば前作との符号合わせが目立ち、それを遊び要素として作っている感があったのでこれは「傑作を最初から求めていない良作」を作ったのだろうと思っていたのですが、見事に騙されました。里伽子シナリオを終えてもう一度彼女の出番のあるイベントを片っ端から見ていくと伏線が延々とあるわけで、その裏事情を知らない主人公の反応が非常に読んでいて辛いです。元々プレイヤーである私が何も事情を知らない状態の時でさえ、里伽子に対して依存することが当然のように感じていて、更に図々しくしようとして上手く行かないことをブツクサ言っている構図が引くだけに、背景を知って読むと居た堪れなさが膨らむ一方です。狙いが当たり過ぎていて……上手いです、本当に。
 その一方で本当に過度な献身に対しての些細な(時には過剰な)主人公の反応に敏感に喜びを見せている里伽子の可愛らしさが嬉しく、それに気付いたようでニヤけたりする主人公の内心に他人の視線から見て苛立ったりも。「オマエわかってないから、ちっともわかってないから」という突っ込みを入れるしかないぐらいな感じに仕立て上げているのがまたもどかしく……上手いです、本当に。
 好きなシナリオ順は里伽子TRUEは別格として里伽子BAD、玲愛NORMAL、共通BADの三つを。出来が良いのは明日香TRUEと由飛TRUEを。
 キャラクターの好みの順は 夏海里伽子 > 花鳥玲愛 > 長谷川ひかり > 涼波紬 > 涼波かすり > 川端瑞奈 > 雪乃明日香 > 板橋孝明 > 杉澤恵麻 > 高村仁 > 風美由飛 で。


ぱすてるチャイム Continue 2005,7,8

 力作でしたが、力作過ぎた部分もあります。面白いかと言われれば迷いなく「面白い」と答えられますが、それ以上に「長い」という実感が勝ります。4月入学して2月頭までのほぼ一年のゲーム期間に加え、それをメインヒロイン4人、サブキャラ9人、隠しキャラ1人の合計14人やらないと完全クリアになりません。サブキャラも効率良くやっても一回のプレイで4人以上同時にクリアするのは難しそうですし、隠しキャラはフラグ条件からして他のキャラと同時に進めることは恐らく不可能で、時計省略が出来る高速化パッチがなければ自力でクリアする気力はちょっと厳しいのではないと思います。戦闘やダンジョン探索は楽しいですし、レアアイテム探しも面白いですし、ヒロイン&サブキャライベントも笑わせるのも多く、先生や鉄仮面さんイベントまで発生条件をつけて用意してあるのは見事の一言に尽きます。ラストバトルも各ヒロインで全然違うようにしていましたし。職種によって違うキャラにできる部分もただ単純に最強キャラを作っておしまいではない何周も遊ばせる為の配慮だと思います。ですがやっぱりこれだけ1プレイが長いと、能力繰越できないで1からやり直して延々と続けるのは時間に余裕がない日々を送る人などには相当辛いと思います。
 クリア順は斎香、リナ、サブキャラS、ルーシー、フィル、セレスの順番で一番連れて行ったのは鈴木ぼたん(攻撃遅い。けど、大概一撃必殺)。彼女とエリーゼとのパーティーが私の基本でした。
 魅力あるサブキャラに物語を幾つか添えることでゲームに厚みを感じました。ぼたんとエリーゼの二人が入れば満足という人も少なくないのではないでしょうか。個人的にはヒューズがゲームプレイ後に一番変化したお気に入りです。
 好きな順は ぼたん ≧ エリーゼ > ヒューズ > 斎香 > フィル > ナツミ > シルビア > アルツ > アルフレッド > ベネット > セレス > 沙耶 > ルーシー > サワタリ > サクソ > くおん > 柿本 > 真田 ≧ ネイ > クリス ≧ 鉄仮面さん > 芥子ヶ谷 > コルネ&まゆ&ミキ > 薙原ユウキ > ドッツ > リカルド > イヴ ≧ 倉沢 > 幸子 > リナ > アゼル で。


THE GOD OF DEATH 2005,8,16

 ゲームとして校舎内での隠れんぼというのはいいのですが、特定の時間に特定の場所にいるだけらしく、時間によって場所が違ったりそれまでの展開次第で状況が変わるということがないっぽいのが残念でした。捕まえる順番も、特定キャラはある程度時間経過していないと捕まえられないので大体決まってしまうようです。ですので自然と初期に捕まえられるキャラと終盤のみのキャラとで陵辱の回数が違ってくるようになっています。
 陵辱のパターンも、濃厚ではあっても豊富とは言い難く。一見反抗的なキャラよりも気弱キャラの方がしぶとかったりする部分は面白いのですが、壊すまでの道筋は一本道なので、それ以外だと話が進まないだけなので調教による達成感や屈服を味あわせるという部分での楽しみはイマイチ弱いような気がしました。キャラクターとしても媚を売るキャラを出したり、仲の良い友人同士で裏切らせてみたり、えげつないシーンもあればもっと楽しめたのですが。
 そして一番気になったのが壊れ方でほぼ全員壊れた後が同じになってしまうのが、非常に残念でした。自分の世界に沈み込んでしまったり無反応な人形になったり自傷行為を繰り返したり、後は一見普通に見えて言動が全然普通じゃなくなってるとかパターンが欲しかったです。壊したら捨てるからいいというところなのでしょうが。そして捕まえ方も似たり寄ったりだったのも残念でした。あと捕まえたキャラは全員繋いで同じ部屋にいるのですから、そこらでミニイベントとかあったら面白かったのですが。まだ真っ当な意識のあるキャラとそうでないキャラの会話のやりとりや、自分以外全員壊れて笑ってばかりいるので発狂しそうだとか訴えたりハプニングみたいなものを混ぜて生き物を扱っているのだというものが感じられればもっと良かったです。BADENDに一つあるだけでした。
 好感度順は 西崎晴男 > 西園寺綾音 ≧ 秋坂なつき > ミヅチ ≧ 藤沢弥生 ≧ 楠葉舞 ≧ 楠葉竜臥 > 草薙岬 > 楠葉虎樹 ≧ 朝岡ちえり > 双葉アキラ > ミカヅチ > 天野美冬 > 相田ゆずか > 蔵木秀臣 > 草薙ゆう > カグツチ で。


つよきす 2005,9,30

 なごみシナリオは誰もが恐らく大体高い評価でしょうが他の各シナリオは正直、個々の好みによって評価は大分違うのではないでしょうか。このゲームの特徴は選択肢が少ないので、選択肢が欲しいシーンを平気で主人公が勝手に決めてしまうことが多く、割り切れないシーンを否応なしに見る羽目になることが多いのも特徴かも知れません。
 好きなシナリオは「あたしの夢・俺の夢」>「柳の恋」>「白詰草」≧「乙女のココロ」>「幼馴染」>「聖域の崩壊」≧「それぞれの道」>「野望の少女」≧「片手に白百合、片手に薔薇」>「あ、僕の息子が潰された」で。

「乙女のココロ」(乙女ED)
 このゲームシナリオ全てに言えることですが、同ネタ設定など余所のゲーム漫画小説で語られているからわざわざ掘り下げなくてもいいだろう的、あっさり感がかなり気になります。だったら最初から話を振らなければいいのにと思いましたもので。そしてこれまた他のシナリオでも言えることなのですが、中盤でいきなり主人公が慇懃無礼になるというか調子ぶっこくというか、読んでいる側からすると突然無茶苦茶やり出す主人公についていけません。性欲に狂うこと事態はいいのですがその偏執的になるのはそれまでの相手を落とすまでの動きから比べて所謂「釣った魚に…」という感がしてその後反省するシーンがあろうとも醒めてしまいます。全体的に「メインヒロイン」というより「平均的」な話作りになった印象がありました。最後はエピローグというより使う予定だったのに使わなくなったイベントの消化という印象が色濃く。

「それぞれの道」(きぬED)
 主人公が身を引く行動がスバルに対して「下げ渡す、哀れむ」などの見下していることに繋がるという指摘をフカヒレなりスバルなりに受ける展開を予想していたので、もっと直情的な話のやり取りが展開されたのはちょっと予想外でした。スバルが何より一番維持したかったのは「四人のあのままの関係」だという部分が反映されていて、プレイ中は納得がいかなかったのですが、後で思い返してみると納得できました。きぬに関しては彼女の家族方面を掘り下げることも無く波乱も少なかったです。あの主人公の場所も他人も状況も何もわきまえない暴言からの騒動も、良美というキャラをさりげなく絡ませて生かせていましたし、きぬが主人公に対して深く結ばれているのかが上手く分かり、反面主人公の「考えなしのろくでなしな一面」的欠点が明確に出ていて頷けました。

「野望の少女」(エリカED)
 エリカシナリオ自体がどうも不完全燃焼気味と言いますか、エリカというキャラクターが出来上がり過ぎているせいか、健気な主人公にご褒美をという構図以上の盛り上がりを欠いたまま殆ど過ぎ去ってしまいました。最後の分岐である諦めず食い下がるシーンはエリカの放送シーンが出た瞬間オチが丸分かりというのもかなりキツく、エピローグも主人公がいなくてもそう変わりの無い彼女の未来なだけに、彼女の人生にぶら下がった感が残ったままでした。

「あたしの夢・俺の夢」(なごみED)
 最高傑作。このシナリオがなければ、凡作確定だったと思います。物語の肝は「子供が夢を見つけ、それを目指して大人になっていく」という思春期世代特有の流れなのですが、そのテーマがテーマだったことでラストは各キャラの後日談も含まれていましたし、何よりなごみ自身の「見守られつつ成長していく」過程が眺めている身からして心底楽しめました。ただ一番のきっかけが「お父さん」頼りだったことが残念な気もしますが、私としては下手に主人公を動かすよりも悪いようにならなかったと思っているので、問題は無いです。きぬシナリオではスバルの事情が語られていましたが、このルートではフカヒレにスポットが当たっていました。ただ当たっていただけで掘り下げられることも話に絡むことも無かったですが。

「柳の恋」(祈ED)
 実はこういうダラダラ大好きです。思わせぶりで何も盛り上がらせないのは単なる手抜きなのか、肩透かしを狙ったのかは分かりませんが、怠惰大好き駄目人間としては輝かしい未来の一つだったりします。他の人からは評判悪いかも知れませんが、私はこれでいいです。そう言えば童貞食いの理由はほぼ完全放置だった気もしますが。

「白詰草」(良美ED)
 個人的に姫シナリオは良美シナリオの前座という位置づけに落ち着きました。キャラクターの深みも彼女の方が深いですし。彼女のような難儀という言葉では生易しい形成されてしまったキャラを精神的に癒す話を作るのは難しいと思うのですが、フルスロットル主人公の良さが彼女との全面的な向き合いに費やされたのと、彼女自身が結局は(程度など)可愛い人間であるという緩ませ方から、ねじこまった感情の向かせ方を開放させやすく、深みに入らせる前に収まらせたのは優しい作りでした。

「幼馴染」
 普通のBADENDこと友情はそのままEND。きぬシナリオを見た後だと僅かな会話部分からあの三人が微妙に抱えている事情が透けて見えるので面白かったり。

 なごみ以外は全員「サブキャラ」として魅力的なキャラクターになっていた気がします。最初からサブ扱いな祈先生や村田西崎組、各シナリオで好演したきぬや乙女さんもそうですが、姫や良美も思い出すのは自分が中心にないシーンばかりでしたし。
 好きなキャラ順は 椰子なごみ > 鉄乙女 > 伊達スバル > 楊豆花 > 村田洋平 > 西崎紀子 > 土永さん ≧ 橘平蔵 ≧ 佐藤良美 ≧ 大江山祈 ≧ 霧夜エリカ ≧ 椰子のどか > 蟹沢きぬ > 浦賀真名 > 鮫氷新一 > 対馬レオ ≧ イガグリ で。


エミル・クロニクル・オンライン openβtest 2005,12,7

 詳細はこちらにて。