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??:?? ???????????? ?????????????????????????? ??:?? ??  ……。  目ざめは…まぶしい。  ひかりの中にいた。  見上げれば…そら  真っ白にかがやくそら。  そこにはまだいけない…  じめん…  あつい…  やけるように…  どこにもまだいけない…  なら、もどらなければ…  だが、どこへ…?  あつい…  じめんがゆらぐ…  まだなれていないんだ…  なにもかもに。  ぱたぱたぱた…  音がする。  なにかが近づいてくる音だ。  逃げなければ。  だけど、逃げずにいた。  その音が、なつかしいような気がして。 「えいっ」  ぺた。  背中に、冷たいものがさわった。 「捕まえましたっ」  ぎゅっぎゅっ。  手足を縛られる。  見上げても、まぶしくてよく見えない。  ただ、声だけが聞こえる。 「かわいいです――ちゃん」  ぐいぐい。  縄目がキツくて気持ちがいい。  いつまでも、こうしてほしい。 「あ…」  背中の冷たいものが、はなれた。 「空が……帰り道が閉じる…」  呟き。 「でも、――ちゃん、逃げないですし…ずっと飼っていたいです…」  警察がどうとか言ってる。 「どうしましょう…」  ブツブツと呟く、愛の二人ってなんのことだろう。 「ひとりでも生きていけますか? いけませんよね? ええ、そうですよね」  ………。  よくわからないけど、身勝手なことを言われている気がする。 「じゃあちょっと歩いて、振り向いてついてきてなかったら、ここでお別れで す」  首に縄がかけられた。 「いいですか?」  ピンと張られる感触。 「じゃ、いきますよ」  ずるずるずるずる…  首にかけられた縄が引っ張られる。 「わたしと一緒にいきますか?」  ………。 「ついてきたってことは、そうするんですよね?」  ………。 「どんな覚悟もできていますよね?」  ………。 「では、一緒にいきましょう」  ぐい。  もちあげられた。  じめんが遠くなって、体がかるくなった。  くの字にされて女の人の肩にのせられる。  …ふしぎな感じがした。  この人のすぐ近く。  そこが、ぼくのいるべきところ…  ――しあわせなところなんだ。             SSパーティー4.2              −AIR…変?− 22:00 高屋敷家 The home of TAKAYASHIKI 22:00 PM 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――――っ!!!!」  悪夢で目覚めた。 「な、なんちゅー夢だ」  これ以上ないような悪夢。  早く忘れてしまいたい。  荒い息を吐いていると、違和感に気付く。 「フフフ。孝之ちゃんお目覚めですか」 「え、穂村さん?」  声を掛けられて孝之はそっちを向く。  動くのは首だけ。  見ると手足はキチキチに縛られて動けない。  パンツ一枚で亀甲縛りにされていた。 「ゆ、夢じゃない?」  全身から悪寒を感じる孝之。 「ほんと、夢みたいです」  染めた頬に手をやって首を振る愛美。  会話がかみ合いそうもなかった。  笑っている目が怖い。  真っ当じゃないのだけはわかった。 「………」  見ると特に異世界とかではなく、普通の家屋の中に見えた。  首を動かすとTVや箪笥が見える。  孝之はそこでどうやら自分がちゃぶ台の上に縛られて転がされているとゆう 状況に気付いた。 「ここは一体!?」 「えいえんの世界ですよ」  ニッコリと答える愛美。 「違うと思うけど」 「じゃあマヨイガです」 「それも違うような気が」 「ではタナトスということでどうでしょう?」 「だから…… 「ここは私の家よ」  最後の孝之の言葉に答えたのは目の前の愛美ではなく、腕組みをして睨んで いる黒ずくめな女――高屋敷青葉だった。 「………」 「………」  縛られている孝之も、横で微笑んでいた愛美も呆然としてそこに立っている 青葉を見ていた。  目は生まれつきの部分を加味してもこれ以上ないほど吊り上っている。  間違いなく激怒している。  当然と言えよう。  家に帰っていきなりこんなものを見せられて怒らない人間はいない。 「不法侵入の上にSMプレイ……この変態共、良い度胸ね」  怒りの余り、声も震えている。 「………」 「………」 「も、もしかして……お姉様」  三人が固まる中、ポツリと愛美が呟く。 「「え?」」  思わずハモる青葉と孝之。 「遂に見つけた。私だけのお姉様」  恍惚とした表情で、呟く。  目はハート型に、周りは花びらが舞っていた。 「………あのー、穂村さん?」  そう呼びかける孝之の声は愛美に届かなかったらしい。  というか既に眼中外。  彼女は真っ直ぐに青葉にその熱い視線を向けていた。 「ちょっと貴女?」  その様子にただならぬ気配を感じたのか、青葉も不審そうな顔をする。  が、その瞬間に青葉に愛美が飛び掛った。 「お姉様ぁぁぁぁぁぁぁぁ――――――――ーっっっっっ!!!!」 「なっ?」  たじろぐ青葉は身をかわそうとするが、いち早く愛美はその腰に抱きついた。 「ああ〜ん。お姉様ぁ〜」  そして、そう言いながら青葉の身体に這い登り、顔を埋め頬擦りをする。 「なっ、なっ、なっ………」  一瞬の事に青葉は動転し、 「は、は、離せっ!!」  身体を揺さぶって逃れようとするも、 「嫌です。遂に見つけたんです。私だけの、私だけのお姉様を!!」  愛美は歓声をあげ続ける。 「………」  いきなりの事態の急変に、縛られたことを忘れてしまった孝之は呆然とその 光景を見詰める。 「ええーい、離せ。この腐れサナダムシ!!」 「もっと! もっと罵って下さい。お姉様!!」  手で顔を掴んで無理矢理引き剥がそうとするが、抱きついた愛美は離れない。 「変態が伝染る!! 離しなさいっ! あんたも見てないで何とかしなさい!」 「いや、縛られているんで何もできないっす」  状況の急変についていけないでいる孝之は唖然と二人を見ながら呟く。 「このクズっ!! 無能っ!!」 「うっ うぉぉぉぉぉぉぉんっ!!」  泣きながら転がっていく孝之。 「な。何をっ!?」  その突進を避ける青葉。 「ああ〜ん。お姉様ぁん!」  構わず頬擦りを続ける愛美。  そんなこんなで新たな家族計画が発動していたりするのだが、それはまた別 の話。                     THE END OF SS PARTY FOUR Thank you for reading! 1999,2000,2001,2002『Thoughtless Homepage』
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