MilkywayうぃずVoice&いちご打 2002,03,23

「Milky」の方は前のを声を入れたベタ移植で、一応多少のシナリオの変更とシステム周りが良くなった点があるぐらいです。今度発売される2の絵柄を見る限り、こっちの頃の方が好きなのであまり変更がない方が私は良かったです。
 最初躓いたのは、修正差分ファイルです。これを入れるとボイスに何故かノイズが混じります。放っておくのが不快なほどの。ですので、わざわざ一回アンストして入れ直しました。動作には支障がなかったので修正入れなくても済んだのは幸いです。でなければやる気を無くしました。

 シナリオ自体は変わらないのでサクサクと……一人、一時間かかりませんでした(笑)。予想以上のハイペースで、楠本さゆらから初めて、高坂繭、結城倫、鷹梨千尋、東条悠、東条恋水、工藤亜由美、最後は我等がヒロイン御影咲夜と数時間で全員一気に片付けました。
 前回より好感度では恋水が一つ繰り上がって亜由美と同列でしょうか。頂点は相変わらず咲夜ですが。声が出来て好感度が変わることはそうはなかったです。あまり外れた配役はなかったです。ただ一部キャラの声はちょっと明瞭でなかったのが気になりました。
 千尋の好感度は多少改善されました。悪いのは主人公の健治だろうというか、この主人公何もしてないし、何もしようともしていないし、どうしてこんなに世の中上手く渡れているんですかコノヤローという思いが前回よりかなり割増に沸いたもので(笑)。本当に飽きれる程何一つ努力という努力もしないです。自分の将来、家業、女性陣への対応、何一つとして……酷すぎるという思いがあったので千尋への憐れみも多少増しました。ですが高田由○女史の声は流石に今のエロゲー界では厳しいのではないでしょうか。演技自体に難はないのですが、どうしても元の顔か、○重霞の顔が浮かびます。
 最後の晶の日記は今度は完全クリ後に出るようでした。
 前回は意味不明だったので今度はAliveリニューアルもやっているのでじっくりと観察して………やっぱり意味不明です。
 登場キャラは判るのですが、話自体の裏づけが何も無く唐突に始まり唐突に終わったという前回の感想以上のものは得られませんでした。というか他に何か見たりしないとわからないものなんでしょうか? ユーザー放ったらかしで身内で盛りあがられても困るという前回以上の感想はありません。

 続いては「いちご打」。
 ファンディスクのつもりでいましたがあにはからんや……正真正銘タイピングだけのゲームでした。ある意味男らしい決断だったような気がします。
 単に他にミニゲームやアクセサリー用意するのが面倒だったとかかも知れませんというか、本当はそっちらへんが正解の気もしますけれども(爆)。
 うぃずVoiceの方で声を聞いた後なので無声なのが妙にしっくりこないという逆転現象を起こしてしまいました(笑)。
 シナリオは三本。一本クリアすると次のシナリオにという形式です。
 兎にも角にも全編で咲夜を虐めまくる有様でした。タイピングゲーで「あ」とか「え」とか打つゲームがあるとは思いませんでした。あまりに咲夜をいぢめ過ぎです(笑)。

 一本目は箱の通りに恋水がメインのシナリオ。
 二本目は亜由美メインのシナリオ。
 三本目が咲夜のシナリオ。
 そして四本目が霧島奈緒美メインのシナリオ。

 この霧島奈緒美というキャラがMilkyで出てきた謎キャラの正体でした。どういう意図で誰に言われてやっていたのかゲーム中では全く語られることのなかった営業妨害していた女の子です。一応、千尋の家の関係者という風に匂わす程度で正体も明らかになりませんでしたしシナリオ自体にも全く絡むことは有りませんでした。
 だからこそ、あれこれ持ち上げられても正直メーカーサイドとの温度差が。チョイキャラを持ち上げること自体は嫌いじゃないのですが。
 今回もリリスの御大やら、刹那2verやら、Aliveの坂上柚木やらがわらわらとゲスト参加しておりました。この辺がファンディスクとしての名残かも知れません。一部キャラのみですがCG有りますし。Milky自体の方で全キャラCG用意していないのにも関わらず(笑)。千尋と繭の二人が無いのは原画サイドの理由からでしょうか?

 タイピングとしては繭の顔文字はちょっと苦しみました。わざわざ顔文字を手打ちにする人ってそうはいないと思いますし。あとは「いじめ」と「いぢめ」が二種類あったりするので気が抜けなかったり、一文字間違えますと、続いて打った文字が全てミス扱いになるのでかなりダメージを負ったり。キャラに因んだ言葉のタイプなので大分単語に偏りはありましたが、なかなか面白かったです。
 今回改めていちご打のOPを聞きましたが……結構好きです(笑)。


雪花 −きら− 2002,04,17

 睦月様とこあとる様が偶然なのか同時期に紹介していた紺屋さんのオリジナルビジュアルノベルです。
 選択肢なしのものはゲームと予備難いのでゲーム感想コーナーの方では除外していたのですが、何となく。

 意地悪く言えばああいう形で終わらせる方が、納得出来るハッピーエンドで終わらせるよりも易しいという感想があったりしました。
 そして他の部分でも、話をスムーズに進ませるのを優先させて、なんでそういう状況になるのかという疑問は置いてきぼりな部分が気になりました。
 最近の全てのゲームの風潮でもあるところなので、ここで取り上げるのは不公平かもしれませんが。
 猫の使い方は深読みなのかも知れませんが、非常に良かったです。ラス前の起きた時の描写部分など。


或る夏の物語 2002,4,23

 なんかヒロインの絵を各所で見ていて、その頃から「柏木楓に似た彼女はどこ初見?」と気になってはおりました。
 先日偶然見つけたのでプレイしたのですが、感想は「凄く勿体無い」です。
 シナリオ補足させて欲しいです。
 物語の大筋自体は悪くなかったのに、このぶっきらぼうなシナリオはちょっと……。
 絵も良質。音楽も良質。
 それだけにただただ「勿体無い」の印象が強かったです。
 新作もいいですし、試みも楽しそうではありますけど……このシナリオ膨らませたものを見せて欲しいという希望がこっそりあります。


ハーバーランドでつかまえて&リトル・レディ 2002,4,26

「ハーバーランドでつかまえて」は半年間隔ぐらいで一年越しで終わらせました。
 凄く、感慨深げです。
 未プレイの方いましたら、ほんのり推奨印打っておきます。
 テキストと音楽が特に良く、絵も上手ではないのですが、上二つと雰囲気味が合っていて非常に味があります。半端に上手い絵でしたなら今ほどの実感は味わえなかったかも知れません。
 長く伸び伸びにしてプレイしていた理由は以前も書いた通り全く判らないのですが、一気にやってしまうよりも良かったような気がします。
 でも正直、トモよりも高橋歩美さん27歳に私は興味が(爆)。

「リトル・レディ」の方は第一章は左程でもないですが、二章の大森舞編は絶賛したいです。最後の最後のどんでん返しに全く気付きませんでした。
 通してやってみるとシナリオ順の関係もあって、娘が前菜扱いになってしまった感もします。ユミシナリオのラストの後にもう一度娘を持ってくる展開にするとかすれば三部作としてのバランスは取れたかも知れません。一部唐突に割りこんでくるサブキャラが気になります。以下続編が出るとかいう可能性があるならいいのですが。
 でも第三章のラストのアレは納得が行かない気分が。第二章がああだったので、絶対どんでん返しあると思ったもので。


しすたぁエンジェル&しすたぁエンジェルみりめ〜とる 2002,5,12

 ENDINGは各ヒロインに二つづつで、それにノーマルを加えた8つでした。
 初プレイはそれほど……だったのですが終わってみると、爆笑こそしませんでしたが評判になるだけはありました。
 話の整合性もちゃんとできていて、全てのEDを見れば大体のゲーム中の謎は解き明かされる仕組みになっております。
 ツッコミどころといえば、そのヒロインのシナリオではそのヒロインがそれぞれ大変なものを抱えていて、放置できない状況のはずなのに、そのヒロイン以外のルートでの彼女達は何事もなく日常を過ごしてしまって終わるのが妙にひっかかりました。特に流菜は病状という点では他のルートでも予断を許さない気がするので気になります。
 主人公を含めてボケが三人、ツッコミが流菜一人とはちゃめちゃぶりが面白かったですが、愉快な選択肢を選ぶとENDINGに辿りつけないことの方が多かったです。
 一番面白いのはもうあちこちで言われていますがその演出です。これほど無駄にCGやSEを使いまくったゲームはそれほどないのではないでしょうか。その力の入れようで、シナリオさんや声優さんだけでなくスタッフ一同で「笑かしたれ」という意気込みが伝わってくるようでした。
 良作というよりも力作という評価です。

 システムの不満は選択肢になるとセーブできないというのもそうですが、それ以上にエンターキー未対応なのが私としては辛かったです。既読スキップも、小刻みな文章の対応が出来ていないらしく、殆ど意味無し状態な感じがしました。

 クリア順は以下の通り。

 寺井流菜HAPPY → 雛城真実HAPPY → 雛城真実NORMAL → メムHAPPY→ メムBAD → 寺井流菜&深月TRUE

 超絶御都合主義的恋愛アーカイブノベルと銘打つだけ合って、どのシナリオも結局は王道路線です。
 真実のシナリオが王道かどうかは意見が判れそうですが、魔法で勇気をというのはやっぱりお約束の一つではないかと。魔法少女もの自体も含めて。
 個別で特に語るものは無いのですが、TRUEの最後のOPテーマのフルバージョンが実に効果的で良かったです。ギャグのイベントで一番良かったのはバンデラス討伐戦の漫画的効果の部分が。メムが曲がりなりにも成功したのってこれだけのような気もしますし。

 好き…というか好感度順は以下の通り。

 ミリ > 寺井深月 > 寺井流菜 > メム > ネジ > バンデラス > 藤さん > 雛城真実

 みりめーとるの主役のミリ嬢を一位に。寺井姉妹では巷では妹が一番人気のようですが、私は姉の方を。気の回る性格で損をしているキャラが好きなもので。次点は手堅く流菜を。メムも良かったですが。後はあの目にコロリと参りそうなネジ、そしてバンデラス。ひなしろ的には、一番距離を置きたいです。

 最近、タイトルと内容が伴っていないゲームが多い中、ベタベタに「しすたぁエンジェル」というタイトル通りなゲームだった気がします。

「しすたぁエンジェルみりめ〜とる」ですが、ミリに予め思い入れがなかった割には最後の大立ち回りでも素直に感情移入といいますか、読み浸れました。


時の故郷 2002,5,14

 Pleiades Companyさん製作のフリーノベルゲーム。「こんにちわ」「こんばんわ」だけ音声あるのはどっかのフリーの利用でしょうか。同じようにフリー素材を利用したものだと思われますSEが妙にヘボいのが却って損ねてしまいました。元々無理して入れなくて良いのにと思うシーンが多かったです。全部無くしても私は構いません。
 同時にテキストも妙にプレイヤーを意識し過ぎて、却って一人で浮いていて、無理しなくて良いのにという気がしました。音楽はシーンに合わないものが結構多いですが、正統派な場面はどれも悪くないです。
 第一章とかサブタイトルとかあんまり意味があるように思えなかったので、これも無い方が良い気がしました。第三章からは一応話が動くので、付けても良いと思いますが。
 話の為に用意された物証類自体は良いのですが、話における使い方がちょっと「そ、そんなこと言われても」という心境になるような気にさせられました。後、最後の時間制限云々の部分はどうも、話の流れからして唐突な気もします。推測は出来ますが、納得出来る説明を作中で受けていない気がしてしまいましたので。
 どうも全体的に作りはミステリー系列の作りに思いました。フォントの弄り方とかアイテムを入手した時の表示やら、時間制限部分も脱出物を想像させます。
 そういう認識でゲームを始めていたらもっと印象は違ったかもしれません。
 しみじみさせて貰いました。


Milkyway1.8 2002,6,20

 もりた様より戴いていたMilkyWay1.8だか何だかをやっとプレイ。
 超短編ということもあって、Witchの本性がモロ出しという内容でした。
 ここのゲームの正体は物語の起伏も伏線も何にも無く、恋愛要素すら実は全くありません。
 ただただ「色々な可愛い女の子にチヤホヤされる」という部分だけを出しているシナリオしか書けないということが出ていました。
 絵と声とエロさえあればそれでいいという、一皮剥げば一時代前のエロゲーまんまでした。
 話らしきものも一応あるのですが、チキンセットのレタスを以って「野菜もあります」と言っているようなものでしかありません。
 この超短編だからではなく、過去のMilkyやAliveもキャラの掛け合いを取り除いて見るとそういうものだと気付きました。
 その事は別に悪い事じゃないですが、その底の浅さを裏設定や内輪向けの「何か謎っぽい話」で誤魔化しているのが改めて気にいらないと言いますか、いただけません。
 恐らく、その「リリス様以下の裏では実は…」に関しては私は実はそれほど固まった設定になっていないと予想しております。
 いきあたりバッタリがその正体ではないかと。だからこそ、小出しでしか出せない。深く考えてやっていないから。
 そんな判断に今は落ちつきました。
 しかしというか、だからこそ、この1の主人公……自堕落とかじゃなくて人間らしさが無い原因になっているような。
 各ヒロインの都合で、全て受け入れ窓口OKというガバガバのオナペットという存在以上のものがないのがかなり辛いです。
 主人公はプレイヤーの代理だから無個性という一昔前のパターンに倣ったと言いたいのかもしれませんが、人間ですらないのはどうかと思います。


アルキメデスのわすれもの 2002,07,07

 D.C.の予告部分のみですが。恐らくこれは「紹介シナリオ」という意味合いで作ったと思われます。ですので話の筋よりもキャラ紹介や大まかな雰囲気作りを優先したと仮定する事にしました。でないとサーカスにあんまり良い印象を持てなくなってしまうので。初めは苦笑いで始めていたのですが、終盤以降苛立ちました。
 ゲームやって腹立たしい気分に陥ったのは久しぶりです。当時の湿気のせいとかPCの調子(特にCDの読みこみ)が悪いとかもあると思いますが、残念な事に殆ど全く誉める部分ありません。揚げ足取りの部分などもあるかも知れませんが、一番引っかかったのは文章です。
 シナリオの方、自分の文章をテキストで通して読んでみましたでしょうか? 全体にとまではいきませんが、1シーン単位で。
 第一印象としては何か、会話できていないという気がしました。その場に相手がいて二人で喋っているという風にどうも思えず、臨場感に乏しく何か馴染みにくいものを覚えました。会話文章そのものが変というのもあるのですが、会話では当然有るはずの「間」がありません。息継ぎとか、考える時間とかそういう意味も含みますが、会話自体言葉自体に対して余裕がないというか。普通の話をしていても、雑談をしていても、ちょっと踏みこんだ話をしていてもギチギチ感みたいなのを感じました。文面見てもそう思うのですから、声付きで喋らせてしまうと更にその引っ掛かりが私には強まってしまいました。
 音夢の半屈みの立ちCGは失敗作だと思うのですが。少なくてもこの中ではそのCGに相応しい場面で一度も使われていないように思いました。愚考しますと、なるべく広く多く使えるようにポーズや表情を妥協したものを作った結果、どのニーズにも似合わないCGになってしまったという感想があります。今までの余所のゲームではあまりない雰囲気の立ちCGではあるのですが、使い方が難しく実際合っていないので半端感がどうしてもありました。一方で笑い顔と怒り顔の差の無さというか目の差で判断せよと言うのも難しく。そんな苦労の後を見た直後の、杉並君の立ちCG(身動き一つ無い百面相)を見るとその労力の差が遺憾ともし難く。普通なら気にならないところまで却って気にしてしまうという悪循環が…。
 続けて音楽と声についても少々。声優に自信が有るのなら音楽は邪魔にならない程度のものを通した方が良いですが、声優の力量がそれ程でないのであれば音楽を弾ませたものにした方が良いです。平坦な曲のシーンだと平坦な演技が目立ってしまいますので。この学校のシーン等はもっと主人公達の心境をざわめかせるようなウキウキした気分にさせるような曲を流した方が良かったと思います。
 個別に言えば、萌のシーンなどは声の速遅をもうちょっと徹底した方が良かったです。のんきなキャラはもう半テンポ遅く。わざとらし過ぎても、特に変わらないものよりはマシだと思いますので。その一方で代わりに彼女以外はもうちょっとメリハリつけてここは少し速めの速度で喋らせた方が良かったです。彼女ののんき感を演出するのであれば彼女の周りが速い方が効果的です。その場の空気全体がのんびりとした暢気を演出させるには尚更に思いました。
 中盤までやっていてシナリオテキストの付け足しや切り捨てなどの修正と、録音現場の喋り方指導の立合いをさせて戴きたい気分にずっとなっていました。それで話が納得出来るものになるかどうかは全然判りませんけど、現状のままで放置するよりは私自身が精神的に落ちつきますので。このまんまだと勿体無い……というのとはまた違って。放っておけないというか見てられないというか。
 立体的視点が欲しかったと思います。バキが架空の烈海王と戦った如く、目の前に相手キャラを作り上げて会話させて見て貰えれば、その会話の余裕の無さに少しは引っ掛かりを感じて戴けるのではないかと。もし考えてやっていらっしゃるのでしたら、私のイメージが悪いのかもしれません。
 後、他社系のギャグも何か媚びた感じでわらかそうわらかそうと小賢しく入れてあるように思えてしまったのは多分、私が坊主袈裟の心理だと思うのですが。
 音夢のベッドで寝ているCGなど塗りが光りの加減とか影のつけ方とか妙に良かったです。逆に一部CGは塗りに絵が負けしまっています。負けていないCGは綺麗で好きですが、負けているのは却って野暮ったく絵を見せてしまう気がしました。綺麗なので、(正直ほぼアレな)秋桜のように気にならないのではなく妙に気になってしまうという皮肉な欠点が浮かび上がります。

さくら・萌ルート
 一応、ある程度の納得できる話の整合性は維持できていたかなと。ただ、萌はただの変な人です。魅力とか感じられません。よく判らない能力者な主人公についてはあまりあれこれ言うのも何ですが、でもいきなり前触れも無く「作り出すか」「実は」と説明されても非常に困ります。きまぐ○オレンジロードでももうちょっと説明できていた気がします。それともこれをやる前にプレイヤー側が情報を得ているという前提があるのなら別なのですが。

ことり・音夢ルート
 ことりはいきなり出てきてもアイドル性が欠片も無く。親しみやすいとかそれ以前に、情報の受け手としては信憑性がありません。文字で説明されただけでしかなくプレイヤー側というか私には実感が沸かず終いでした。ゲーム内でその雰囲気が感じられませんでしたので。気になった例として彼女のシーンで八橋出して直後に食べてるっていう文章……瞬時に食べてるとかでしょうか?
 出した→食べた って……もしかしたら間とかいう以前の問題かもと一瞬思いました。それとも私の文面の見落としでしょうか。
 あと重ねて言うなら、そのシーンそのものも食べさせようという展開がなんか良く理解できかねるという部分もあります。

 音夢が一番キャラクターになっていました。人前では別人になる辺りは面白かったもののこの中ではそこまでです。それが特徴として深いものになっているわけではなく、構想、発想として奇抜に思えただけでした。
 コンテストの辺りのテキストは全然盛り上がりが無い書き方でした。文章で装飾しないのであればBGMで誤魔化せるような工夫が欲しいです。ラストもそこに限らずですが絵と文字が合ってません。絵での説明不足を文章で、文章の不足を絵で補わなくてはいけないのですが。後、わざわざ呼び出されての投票の理由が判らないです。壇上に上がっての審査員的な立場にさせられるのであれば兎も角、ただの一票でどうしてああなっているのかが判らず。記名投票なのかとか、何故推薦されているのだとか全く何一つ判らず。この辺はかなりカッカきていたので、見落としとかあるかも知れませんけど。ギャグテキストと言えども有耶無耶に誤魔化せるだけの流れを作っていない以上、追求したくなるのが人の常だと私は思っています。
 シナリオの書き方が本当の二言三言単位のミニ会話をベタベタ貼っつけてるだけで繋ぎが悪く。他社のシーン単位の方がまだ気にならないという感じでした。原画への絵の構成注文も互いに相談しているように感じられず、絵が先にしろ文章が先にしろ、同時進行にしろ終わった後で合わせ作業とかしているのか気になりました。更に台詞の喋らせ方も声優の質以上にこう喋らせるという指示が良くないです。もしくはやっていないのかも知れませんが。曲も落ちついた曲ですが、このシナリオでやるならゲームに合ってません。落ちついた場面の落ちついたシーン以外は全て。システムではスキップはシフトキーのみで、しかも遅くて苛々してしまいました。
 後、これは私の問題ですが放置してスクリーンセイバーが起動してしまうと、再起動しない限り立ちあがらないという羽目に陥りました。
 サーカスのファンでない人間で、水夏など歴代作品を知らない人間がこれをやってD.C.を買いたくなる…とは私には思えませんでした。話の良し悪しとは違う部分で。
 ゲームとしてのこれの誉めどころは音夢の保健室のCGです。
 あれは凄く良かったです。絵と構図と塗りが見事に填まっていた逸品でした。


顔のない月 DVD-ROM版 2002,7,20

 由利子さんの為にあったと言っても過言ではないゲームですが、その一方でシステム周りは全く改善されていないというヘナチョコぶりも痛かったです。
 追加シナリオとフルボイス対応の二つを備えながらも絶賛できないのは全てはそのせいです。
 インストール一つでさえも、一旦HDDに内容物を全てコピーしてそこからインストールさせないと出来ないというのは間違っています。


夏の日のレザナンス 2002,7,21

 彩藤神楽さん製作のフリーノベルゲーム。大袈裟なところのないちょっとした不思議な出来事というお話というのは心地良いです。
 十数分で読めるので、ちょっとした気晴らし程度に読んでも問題ないです。
 話の作り方も良かったですし、些かせせこましい部分で引っ掛かった点もありますが、それ以上に不思議を素直に不思議と感じられる部分が一番良かったです。


アージュマニアックス 2002,7,27

 超常戦隊レイスマンのフルコーラスを聴く為に借りたアージュマニアックスを始めたのですが、激しく笑いました。正直、使い回しがうざったいネタもあるのですが、面白かったです。
 君がいた季節で完全に一人、沈みまくっていた三女伊隅まりかを持ち上げる為に作られたように思えるほど彼女が光っていました。
 主に顔に縦線入った顔、最後の方の肩叩かれているイベントCGなんてもう最高でした。
 誉め言葉ではない気もしますが、頭を使わずに流している話の流しっぷりが笑わせていただきました。
 これがアージュの根っこになる部分かと納得。別ゲー女性キャラに手玉に取られまくる正樹が良いです。メイドの二人のキャラがなかなかでしたので、化石の歌ってどんなんだろうと興味を持ちました。販促としては成功かと。一部キャラの演技はどうかと思う中、シャルロットの艶声がその中でもかなーり寂しい気がしたのが難ですが。


淫内感染 〜真夜中のナースコール〜&淫内感染2&淫内感染2 〜鳴り止まぬナースコール〜 2002,7,30

 ノベライズの方が面白かったので、実際のゲームの方ではどうかと試してみたのですが……やっぱり「読む」方が向いていたようです。
 イマイチ楽しめませんでした。


行殺新選組フレッシュ 2002,8,23

 新ネタが尽きたのか、あちらこちらで一層のリニューアルブーム。
 なんでもかんでも買ってやるぜというお大尽様ではないこの身の上なので自然に買うものは、買える物は限られてしまいます。
 そういう人にとって一度買ったものをもう一度買うなんて真似はそうそう出来るものではなく、殆どが見ているだけ状態でした。
 そんな私なのに、迷わず「買い!」となってしまったのがこの行殺新選組Fな訳です。
 何でだか自分でも判らないぐらいに規定路線でした。
 値段も一回出したものということでか、控えめなお手頃価格でした。
 ただその分ファンブックだのなんだので収益を稼ごうとしている姿勢はちょっと如何なものかと思わなくもないですが。

 いきなりインストールで躓きかけるものの、ハナからCディスクの方に必要容量がないという誉められない理由で、無事増設HDDの方にインスト終了。
 伝説の域にまで達した長崎ボイスによって再録音されたOPを拝聴。

 ………………………
 ……………………
 …………………
 ………………
 ……………
 …………
 ………
 ……
 …

 なんか普通でした(爆)。
 ハナから自分はこうだと開き直りとまではいかなくてもわかっててやっているものだから面白みに欠けるというか……なまじ期待していたせいか、ちょっと残念。

 全員一度終わっているということは、既に全員の話を知っているというわけですので、キャラも話もどうでも…なキャラはどうなってしまうんだろうと思いつつ、腰を重くしながら始めました。

 始めは永倉新あたりで攻めようかと思っていたのですが………………………………………沙乃ぉ!!


 彼女の声に転んだので、彼女にくっついて行こうと決めました。
 前と同じです、私。
 ほら、近藤局長は最初にやるようなキャラじゃないし、永倉は想像範囲のまんまっぽかったし、カモちゃんさんはある意味声ありの一番のお楽しみキャラっぽかったので最初には向かないし、副長は最後に決まってるし(決まってるのか)……隠れキャラもやっぱり最後にしたかったし、何よりも何か放って置けない感情があったものでついズルズルと。前回同様彼女の喜怒哀楽と共に喜怒哀楽している自分がいたり。

 押し借りクイズは前回と変わらなかったせいで、記憶の片隅に残っていたまんま答えて最初に320両稼いだのでそれっきり放置。
 その分、前回から改善されたキンノー浪士とのキンノーファイトが楽しくて気が付くと延々戦っていました。
 危うく、不条理度が0になるぐらいの勢いで。
 そんなトラップ(?)を回避しつつ、沙乃ルートを黙々進めます。
 共通ルートでちょっと変わりがあったぐらいで、声がついただけで前回と変わりが無いなぁと思いつつ、とある場所に行ったら急に屯所に戻ってて例の夏目雅子争奪戦……って、あれ? どうして?


 天竺BADEND


 バグなのか、本気なのかライアーだけに不明です。
 しかし最初に見た新イベントCGがカモちゃんさんとは予想できず。
 というか本当に沙乃ルートは前回と変わりが無かったもので。前ほどキツくなかった部分もありましたが。
 そんな訳で「なーんだ、殆ど変わらないのかぁ」と思ったせいと忙しかったせいもあってこの後暫く放置することに。
 まさか沙乃だけがEXエンドをネットで配るために一番手をつけていないシナリオだとは当時は思わなかったもので。

 新キャラの藤堂平の攻略は難しいと言われているみたいですが、サクサクを終わってしまったのでピンときませんでした。
 追加だからとは言え、ちょっと全体的にさっぱりし過ぎて物足りなさを覚えました。

 キャラにもよりますがキンノーファイトが面白く、お金には困りませんでした。
 結局、EXが全キャラについて、一部不条理系のネタが二三あっただけではありましたが、元が良かったせいなのか存分に楽しめました。
 金張り屯所に沙乃戦車も良かったですが、やはり伊東さんの夢が一番良かったです。


みずかべ 2002,10,15

 瀬能透矢というキャラは水月本編では記憶喪失という特殊環境下であったので許された部分もあるのですが、今回は普通の立場になっているので、人としてあるべきものが備わっていない欠陥人間である部分が目立ちました。
 しかも本編同様に周りの人間もそんな彼を批難するでもなく、ほぼ全肯定で受け入れているので「物語を読む」という人にとってはかなり苦痛を伴う作業だったのではないでしょうか。
 逆にあっさりと割りきってしまうなり、単にそういうものが見えなかったりする人でヒロインキャラ達を追う人にとっては、ドロドロに溶け落ちていくような話だったと思います。
 しかしアリスだけが至極真っ当な人間に思えてしまいますし、話が進むにつれてその彼女が周りに流されて崩れていってしまう様を悲しく思えてしまうのは何故でしょうか?(笑)
 本編で雪&花梨に良いところを持っていかれ、自身は世界観などの舞台説明に押されて印象度の割には決め手を持たせることの出来なかった那波を救済するようなお話のようです。
 そうしてみると雪は距離を置く感じになり、花梨は割を喰う存在に追いやられてみると逆に水月本来の持っている厭らしさに気づいてしまうという皮肉が発生してしまいました。
 じゃあつまらなかったのかと言えば小ネタも効いていますし、ファンディスク、IF話、二次創作などの見解からのこの話は上質だとは思います。
 水月本来の問題であって、このみずかべの問題ではない部分が引っかかったという話です。

 後、これは私だけかもしれませんが明るいver那波は好きじゃないみたいです。
 どんなに彼女がにこーっと笑おうとも、雪さんのあの微笑に比べれば話にならないという部分が(笑)。


鬼哭街 2002,10,16

 ファントムとヴェドゴニアを書いた人らしい話だなあと、その作風というか癖というか、熱を入れて書いた部分と素っ気無い部分とか、好きなものとか嫌いなものとか、今までのゲームから推測してしまうような趣向がそのまま出ていたように思いました。
 結論としてはやっぱり本で出した方が良かったと思います。その方がもっと面白かったと思うので(ただ、そうすると幾分弱い部分が余計に目立つ可能性も有りますが、やっぱりその方が良いと思います)。
 小説だと書き手の癖や方向性、趣向、性癖が大筋で容認される傾向にあるのに、これで反発を感じる原因は矢張り「読むもの」と「見るもの」の差ではないかと。読むものだと、読み手の都合の良い解釈や捕捉で幾らでも脳内で話をその人の好みに自覚無しに近寄らせ、歩み寄りをさせることができますが、見せるものでは見せたものを受け入れられるかられないかの二択になってしまい譲歩の余地がどうしても狭く感じてしまうので。デジタルノベルも所詮は「読むもの」よりも「見るもの、見せるもの」であるという認識が今回で出来た気がしました。
 同時に「見せ物」としての評価ですが絵的に動きが乏しかったのがイマイチ。実際に映像として動かすことを前提としたような絵の描き方なのに表示ではただの一枚絵みたいな違和感とかを感じました。前2作程、絵に緊迫感を感じることが出来ませんでした。映画のワンカットワンカットだけを切り取ったみたいな印象が強くて。
 内容についてですが、どうしても私の興味を持つ部分と書き手の特に見せたい部分が合致しなかったですが特に嫌うほどでは無かったです。
 散々語り尽くされているだろう兄弟への描写不足関連については、ほぼ同意。これこそ「書き手の興味」と「受け手の興味」の温度差の証拠ではないでしょうか。他の人は知りませんが、私がこの元兄弟に受けた感情ほど、書き手にとっての感情は弱かったのではないかと。私はこの兄弟よりも、何か半端なまま退場したサイバーな方(この人が一番かな)とかあっさり殺されちゃった策士だったのかも最早今では確かめ様の無い方とかの方が興味はあるのですが、言うに及ばずでしょう。愛憎付近の物語自体は流石に良かったですが、文章量の制限もあったのか幾分浅いものも感じました。これを削ったというのであれば、他の部分が物足りないのも判る気はしますが…。
 オチのつけ方もちょっと腑に落ちないというか、意表をつくことが目的で話の筋道が追いついていないような部分も。恐らくこれは「5等分した○の○○」という部分が先にあって、他の話はそこから作られていったことが原因だと思います。
 こう書くと文句ばかり言っているように見えるかもしれませんが、楽しめました。


雀虐2&3 〜凌辱の学園雀姫たち〜 2002,10,22

 幾らでも何処からでも話を弄くれそうです。大まかな部分でも細かな部分でも弄りたくて仕方のないものばかりである意味ウズウズしっぱなしでした。
 どうせならもっと馬鹿路線で最後まで通した方が余計なこと考えずにすんだかも知れません。
 肝心の麻雀の方ですが、慣れてしまえば簡単でした。


ぼくらがここにいるふしぎ。 2002,11,13

 メイン二人終わった時点で「リードオンリーですが、話自体は良いですね」という気分だったのですが、その二人でほぼゲームとしても読み物としても殆ど終わっていようとは思いもよりませんでした。 シナリオさんが三ヶ月で書いたという会社側の事情とかあるみたいですが、金出して買った人からすればどう思うのかとか色々と考えさせられる部分があります。

 キャラクターはまずまずで、シナリオはこのはチャレンジよりは好みです。音楽は久々にフォローのし甲斐がないほど駄目だった気がします。個別の声では莢子嬢の声だけがどうしても我慢できなかったです。それと、クラスメイト等で複数で台詞を言うシーンは「いっせーのっせ」という掛け声でもその前にあったのではないかという風な「さあ声を揃えるぞ」という力みが入りまくっていて辛かったです。同時にポロっと漏らしたり、立て板に水のように喋ったりするようなシーンなど、さらっとした喋り方のシーンは全滅でした。全部同じような話し方で残念です。全体的に声無しでやった方が良かったのではないでしょうか。

 クリア順は以下の通り

 深町未生(強制) → 藤臣珠子(強制) → 三雲千秋(最初の分岐で決定) → 草上梓 → 菅まゆり → 深町美潮

 シナリオ自体は主人公の二人の新一の違いの出し方が、秀逸でした。珠子と共に過ごした新一はは子供染みた部分が多くて、未生と共に過ごした新一は少し落ち着いたところがある。そんなそれぞれの相手の影響が出ていた部分とか、後は自転車の使い方とか。絵本は作中で生かしきれていなかったので評価は保留です。

 好きなキャラ順は以下の通り

 真鍋徹 > 深町未生 > 深町美潮 > 未生世界真鍋新一 > 樹川涼 > 菅圭一郎 > 菅まゆり > 藤臣珠子 > 川又唯 > 珠子世界真鍋新一 > 新井先生 > 弓原先生 > 河野・辻 > 草上梓 > 三雲千秋 > 狩野莢子

真鍋新一
 未生世界の彼の方が好きです。まあ基本として。

菅圭一郎
 少ない出番の割りに最大限の魅力を見せ付けられたのではないかと思います。

川又唯
 一番考えていたものと違う扱いになってしまったと思われるキャラ。

狩野莢子
 初登場が魅力MAXだったとは思いませんでした(喋る前(爆))。

樹川涼
 その話、もっと詳しくお聞かせ願いませんか?

真鍋徹
 相変わらず不良中年書かせたら右に出るものはいません。最高です。

深町未生
 三拍子揃ったにっぽんのえろげーのほこるゆいしょただしき正統派姉。
 眼鏡さえ無ければ満点なんですが残念です(爆)。顔CG変化の王者。

藤臣珠子
 ミニCGでは最強を誇るものの、正直ウザいキャラは苦手です。
 入れ替わり後に対する感情の揺れ動き方は好きなのですが。

三雲千秋
 何か用意した設定を何とか全部押し込もうと無理して押し切ったなぁという印象が。

草上梓
 出さなくても良かったかも。最後の会話の為だけの存在と言っては言い過ぎでしょうか。

菅まゆり
 どうしてもこういうキャラ一人は出してくれという誰かの事情でしょうか。
 時間があれば彼女のシナリオはかなり充実したものになりそうです。
 話自体は、最後の彼女のついた嘘だけが見せ場です。

深町美潮
 私はこういう人に弱く、一緒に駄目になりそうです。

弓原先生
 初の非ぐーたらスキルを持つ担任なのですがそのお陰か顔CGはないみたいです。

新井先生
 ビジュアルの無いのが悔やまれそうなキャラ一位な体育教師。

河野・辻
 クラスメート。河野さんの告白は新一の入れ替わりがあってこその成立か否か?
 後日、パソコンパラダイス誌上でこの二人の話が掲載されました。

 総評としては一冊の本で読みたいです。この話。


DiaboLiQuE 2002,12,24

 アリスの話読ませ系三大ゲームの一つ、デアボリカ(残り二つはアンビとアトラク)ですが、一章をやって以降……何ヶ月ぶりかで再開して終わらせました。コマンド総当り式アドベンチャーというのは少々かったるい部分もありますが、「一本道でもゲームしているような気分になれる」ので素直に受け入れたいところです。
 何と言いますか敵役の作り方が無茶苦茶上手いです。一見悪人が実はそうではない、もしくは悪人だけど事情があって…、とか言うキャラの表現の仕方はもう当て擦りのようにベタベタ見せ付けるか、後半一気に懺悔の部屋宜しく説明を並べるかというパターンでしか表現できない人が多い中、実に上手くシナリオの中に溶け込ませて読み手を納得させてしまいます。アトラクの初音姉さましかり、どう考えても(同情できる遠因はあっても)善性など殆どないキャラクターに何故か悪意を抱かせない……言葉にするとよく訳がわからなくなってしまいますが、憎むべき敵役火炎王を憎むことがちっとも出来ないようになってしまっていて、それも最後の最後でとかではなく、途中で気がついたらそう思えなくしているところが素敵です。そんなキャラクターのイメージを読み手に植えつける様は余人に真似ができるものではないと思います。傭兵な方々への仕打ちとか考えればムカつくなりしてもいい筈なのに、最後には全肯定させてしまう魔力みたいなものを感じてしまいます。
 その一方誰もが苛立ちと不満を抱くであろうキャラが我等がアズ公。アズライト君だったりします。前述の方々や彼の凶(マガキ)となってしまった桜姫など彼に振り回された連中がわんさかとあれやこれやと不幸になっていきます。最初はちょっかいをかけている存在の筈の火炎王だって実は彼に振り回されての行動だったということになっていますし。彼の言動をずっとプレイヤーとして見守り続け、追っかけていくと「コノヤロー」と言いたくなるのですが、舞台裏が透けて闇のアズライトとしての正体を知ってみると意外にも妙に納得してしまいます。
 欠けたるもの、あやふやなもの、不安定なもの。その一方で望むもの、求めるもの、探すもの。
 彼の本質と無くしたものを並べてみると、アズライトという存在の正体が形になってきて自分でも騙されているのではないかと思えるぐらいに納得してしまいました。特に「嫌い」なものに対しての彼の表現の差はちょっとしたテーマにして考えると楽しめます。ただ彼が同族を殺し、人を好むという方向への積極的行動を取らせるようになった明確なものはゲーム中ではなかった気はするのですが。
 世界観はあるんですが、やや説明不足なのかピンとこないところもありました。
 ハッピーエンドも、うーんちょっと御都合主義優先な部分もある気がしました。今まで通りにするなら負の面も今まで通りにして、その理由はアズライト自身もそこまで干渉できないとかいう方向でのオチの方が私は納得出来るのですが。そうでないと、レティシアを凶か人間かの二択にする理由が変な気がしますので。全てが自在であるならそれなりに彼女も寿命とか弄れそうですし。

 火炎王のテーマ曲がいいです。
 流れる度に「火炎王キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!」という気分になってワクワクします。
 印象に残りにくい曲が多かったですが、流石に総じて良かったです。

 レティシアの生まれ変わり軍団(マテ)では一人だけ別人していたジゼルが良かったです。
 やっぱり一番人間として生きておられましたし。絡み合って寝ているCGが一番好きです。最後、アズライトの感傷の趣味に付き合わされるのが何とも彼女としても異議ありっぽいです(爆)。
 火炎王はOPの声は後のキャラ絵を見る限り合わないです(爆)。序盤は敵役として颯爽と登場するものの終盤では一番哀愁漂うキャラになってしまったのは気の毒です。
 ファトラ姐さんが実に良い仕事をしております。
 彼女がアズライトの手に掛かるところなど「急に趣旨変えしちゃったのかしら」と思っていたらその後の全てを見る限り「(自分が死んだように思わせて)アズライトをからかった」だと(という訳でもないのですが。会えなくなるということに一応なっていたので)いうことに気付くと素敵です(笑)。
 桜姫と月姫は冒頭に登場したことで話の肝になるかと思えば、通過点だったのがやや意外。しかし四章に於ける桜姫の使い方は非常に最高です。まあ最後はロードな方々が出張るので彼女らクラスではお呼びじゃないという理由はわかりますが。
 デューン君は三章がそもそも訳がわからないうちに一人納得してとっとと話が進んでしまったのが何だか。不意を突くにしても、話に呼び込んでくれないと突かれない訳で。ティエラは何気にどうでも良いです(爆)。
 恐らく一番人気こと凶アリアですが、アリアだった頃の彼女も非常に良く、宜しさ倍増となるとそりゃああんたもうと興奮しきりです。アリアの兄さんことロックも地味に素敵です。アリアのイベントCGはどれも良いです。押し倒しているCGが一番です。
 彭祖、刻風&八房の連中は結局は世界観の為の登場人物だった気も多少。
 ゴルドーと火炎王、アズライトでの歪な三角関係はアチラ側の方々向けっぽいです。
 ジュモルチェル……復活させていいのでしょうか?(笑

 二章と四章がベストです。一章と三章と五章は趣味が私には合わないということで(爆
 人生を文字通り重ねて良い部分も悪い部分もしたたかになっていくレティシアと、やっぱり文字通り人の死の数だけでも鈍牛のような成長率で精神的に強くなっていくアズライトの愛の物語としては話としてはまとまりに欠け、内容には腹立たしいものがあったりはしますがそんな彼等を取り巻く沢山のキャラ達の存在で全肯定されてしまうというのがこのゲームの総評です。

 最後に好きなキャラは王道ではありますが

 凶アリア ≧ アリア > ジゼル > 八房 > 闇アズ > 火炎王 > アリアの家族 > 月姫 > ファトラ > ジュモルチエル > ダリアら一家 > メイ、フレーディ、ジョン、ロジャー達 > 彭祖 > ゴルドー > レチ子 > アズぽん > プリューダ > 桔梗 > 桜姫 > ティエラ > 刻風 > 薹霊 > アラン > 菫青とかデュイとか > デルグ

 桜姫が絶妙に低いのがポイント。御免。

桜姫「謝って済む問題ではない!!」

 全く以ってその通りです。


Card Wirth 2002,--,--

 結局、PCを変えて以降有耶無耶のままにやらなくなってしまったので区切りに。
 ネットゲー全盛期の最中、コソコソと地味に填まっておりました。
 フリーでこれだけ自由度が高く遊べるゲームはそうそうなかったと思います。
 作りこんだシナリオに、ただただ戦闘オンリー、謎解き、馬鹿ネタなど千差万別な楽しみがありましたし、調子に乗ってシナリオも一本作ってしまいましたし。
 本当はもう一本作りかけていたのですが、作るのに挫折してしまって……。
 ただこのシナリオで手に入れられるキャラはかなり気に入っているので、何とかしたかったです。
 他の人のシナリオでのお気に入りキャラは「三矢流弓術道場」の師匠と「隻腕の剣士」のオズマを。


2002プレイゲーム総括 対象 計38本

アージュマニアックス 〜伊隅四姉妹最後の日〜
アルキメデスのわすれもの
いちご打
いもうとブルマ 〜放課後のくいこみレッスン〜
淫内感染 〜真夜中のナースコール〜
淫内感染2
淫内感染2 〜鳴り止まぬナースコール〜
うたわれるもの
Only You 〜リクルス〜
顔のない月 DVD-ROM版
家族計画
鬼哭街
行殺新選組フレッシュ
このはちゃれんじ!
しすたぁエンジェル
しすたぁエンジェルみりめ〜とる
雀虐2&3 〜凌辱の学園雀姫たち〜
水月
世界ノ全テ
それは舞い散る桜のように
D.C.〜ダ・カーポ〜
DiaboLiQuE
20世紀アリス
ねがぽじファンディスク 〜ひとつ屋根の下で〜
ねこねこファンディスク
灰被り姫の憂鬱
Pure Mail ピュアメール
みずいろ
Milky way うぃず Voice
みずかべ
結い橋
Ribbon
忘レナ草 〜Forget-me-Not〜

或る夏の物語
Card Wirth
時の故郷
ハーバーランドでつかまえて
リトル・レディ

システム部門:『D.C.〜ダ・カーポ〜』
CG部門:『水月』
ムービー部門:『しすたぁエンジェル』
音楽部門:『うたわれるもの』
OP部門:『days happy』【しすたぁエンジェル】
ED部門:『時の砂・月の雫』【忘レナ草 〜Forget-me-Not〜】
挿入歌・オマケ歌部門:『Small Cherry〜promised bell〜』【D.C.〜ダ・カーポ〜】
ストーリー部門:『リトル・レディ』
世界観部門:『灰被り姫の憂鬱』
熱中度部門:『Card Wirth』
オマケ部門:『みずいろ』
ヒロインキャラ部門:琴乃宮雪【水月】
主人公キャラ部門:ハクオロ【うたわれるもの】
サブキャラ部門:東堂真綾【忘レナ草 〜Forget-me-Not〜】
萌えキャラ部門:琴乃宮雪【水月】
科白部門:「舌かみきって死ぬ」宮代花梨【水月】
ゲーム大賞:『家族計画』
特別賞:『ねがぽじファンディスク 〜ひとつ屋根の下で〜』
コケモモゲー大賞:『結い橋』
コケモモ主人公部門:『矢部正広』【忘レナ草 〜Forget-me-Not〜】
コケモモヒロイン部門:『神原千夏&彩&奈々留』【いもうとブルマ 〜放課後のくいこみレッスン〜】
コケモモサブキャラ部門:『劉豪軍』【鬼哭街】
コケ科白賞:特になし。