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 いざいざいざ、老いも来たれや若きも来たれ。男も来たれや女も来たれ。
 集えや衆よ。群がれ人よ。
 ここからは戯れ。今より始まりし戯事。真っ当な思考を持たず、遊び心に気づかず、右を知り左を知りて道を知らぬ愚直な戯けの一人語りで御座います。
 御代は聞いてのお帰りだよ。さあお出で。
 明晰かつ好奇心旺盛な諸侯様。末は学者か路上者か。
 一寸先は闇の果て。運命めの招きに抗うも叶わず、従うも背かれるかの悪女に悩まれし非業の民よ。
 経験談を聞かないか? 先駆者を見たくはないか? 未来を通す過去の行いを知っておきたくはないか?
 少し踏み出し寄って御覧。
 とって食われて惜しむ身ならばこそ、知らぬは奈落の一歩道。
 一度の恥は千年の知。百年の明。十年の利。一年の苦。
 ただ一度、僅か一瞬の判断が子々孫々身に帯びる呪いともならば捨て置けぬ。
 そうは思わぬか、そこの人。
 得るは1。得ぬは0。
 捨てども0に戻らぬ1も、使い勝手で化けもする。
 化かすのが得意であろうとも、化かされるのが性であろうとも、得たものは等しく汝を照らす。
 さあさあさあ、知りたまえ。忘れたまえ。見たまえ。忘れたまえ。覚えたまえ。忘れたまえ。
 三度感じて、なお忘れられる戯れならば、己が心を研ぐ石となる。
 三度抱えて、一度でも離れぬ戯れならば、己が心を燃やす種となる。
 いざいざいざ、人生のほんの一欠けらを是非、この道化にお恵みを。
 哀れみあらば、嗜虐あらば、戯れたまえ。構いたまえ。
 この道化と共に僅かばかりの刻を共に。



――――――魔術師にして王女にして妖精にして只の嘘吐き女   





 アーサーの異父姉であるモルゴースとモルガン・ル・フェイは、実父をアーサーの
父とマーリンに殺され、母を騙したことで産まれた不義の子アーサーを憎んだ。
 モルゴースはアーサーを騙して姦通することで復讐の王子モードレッドを産み、彼
と彼の王国を滅ぼすことを望み、自身は中途で斃れるもその望みはモードレッドによ
って果たされることとなる。
 一方モルガン・ル・フェイは姉とは別にアーサーに敵対し、様々な手口で彼を危機
に陥れるが、その謀は恨みを表向きは深く沈ませた深慮遠謀な姉とは対照的に、杜撰
で行き当たりばったりの感情的なものが多かった。
 モルゴースとモルガン・ル・フェイ。
 二人のアーサーに対する差は、妖艶な毒婦と恋熱に魘される少女ぐらいの違いがあ
ったとされている。