『聖なる遺伝子』


1999/05/28




 僕は長瀬祐介。
 電波少年だったのも昔の話。
 今は一流企業に勤め、可愛い妻と仲睦まじく暮らしていた。
 あんな力はもう必要ない。


 そして妻の沙織に子供が出来た。
 勿論、僕の子供だ。



 最初はそれこそ猿のようだが、成長するにつれ……



「ここは俺に似ている」
「ここはわたしかな」



 なんて夫婦の会話が成り立つのだが……。






 成長した子供の顔は馬面だった。






 結果、息子はグレ、妻は逃げだし、近所からは間男に寝取られた亭主とまで陰口を
叩かれた。



 僕は封印していた力を使って、一族を皆殺し同様な廃人にしようと思って……。


・
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 そこまで話した時、裁判長が宣った。



「判決、無罪」



 裁判所、スタンディングオベーション。




                         <おしまい>


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