『Finalist』
 




「今日ね、何の日だと思う?」


「……?」
 私の言葉に、首だけで反応する彼。
「今日はね、エクストリーム本戦のトーナメント決勝戦の日なのよ」
「ふぅん……」
「去年まではここでこうしているなんて考えられなかったわよねー」
「……」
 ベッドの上で寝転んだまま腕を伸ばす私に、淵に腰掛けたまま座っている彼は何も言わなかった。


 無理してまで、触れ合わない。
 特に触れ合う必要が無いものには、関わらない。
 避けるのではなくて、そうまでする意味が無いから。


 それが何となく、理解できた。
 ただ、その区切りが互いの認識通りに出来ているのかという疑問もあるのだが。
 けれども、理解できた。
 彼という人間をまた一つ。
「ふふふ……」
 積み重ねていく度に無性に嬉しくなる。


 昔にはこんな余裕も無ければ、見通すことも出来なかった。
 一つ一つが驚きであり、
 新鮮であり、
 不安でもあった。
 見るだけで精いっぱいで、近寄るだけで必死で、
 しがみつく事だけを望んでいた。


 ――もう彼に依存するだけの私ではない。


 そう自分に自身を持って言える自分が誇らしかった。
「?」
「どうでもいいんでしょ」
「ん?」
 彼は私の言葉の意味が判らなかったらしい。
 いや、当然か。
 私が一人で納得しているのだから。
「エクストリームチャンプ来栖川綾香は、――にとってはどうでもいい部分なのよ」
「そう?」
「ええ」
 彼はよく自分の事を他人事のように扱う性質がある。
 逃げ上手な部分でもあり、達観した部分でもある。
 だから代りに私が頷くのだ。
 彼のそんな所を理解している自分が。
「好き合った二人だから互いの全てを見せ合うとか、全てを知り尽くす必要はないのよね」
「……」
「逆に互いの全てを曝け出せないと安心できないって言うのは、それだけ互いの気持ちに自信が持ててない証明みたいなものよ」
「そうなんだ」
 軽く首を傾げたような仕種をするが、惑わされない。
「そう。大事な事を知っていれば、互いが一番知りたい事を知っていればそれでいいの」
 そう言い切る。


 わたしがあなたのことが好きで、あなたがわたしのことを好きだという事を。


「勿論、相手の事に興味が無いってことと同意じゃないわよ」
 自分の好奇心の是認の為には、これは付け加えておかなくてはいけない。
「私が貴方のことを知りたいという事と、知らないと安心出来ないってことが同じじゃないって事……」
 幾度、私は不安になっただろうか。
 その度に乗り越えてきた。
「そして貴方が私の全てを知りたがらない事と、私に関心が無い事とは別ってこと」
 かつてはそれが判らなかった。
 自分の感情を見せない、少なくても私には判らなかった貴方だけに。
「何に関心があるんだろうね」
 少し私の連続した断定口調に対してやや困ったような顔をして見せている。
 が、そのあまり開かぬ目は面白がっている。
 幾度となく見続けてきた彼の表情だ。
「言ってあげましょうか」
「うんうん」
 平然と聞き手面している彼の方へ這うようにして近づくと、身体を起こして背後から捕まえるように抱き締めた。
「私、今日ね」
 そして、彼の耳元へ息を吹きかける。
 残念ながら、震えてはくれなかった。
 が、それはまだ前座だ。
「ん?」
 余裕を持って聞き返す彼にボソっと言う。
「今日は久しぶりにおっけぃ日なの」
「………」
「嬉しい?」
「み、実も蓋もない……せめて安全日というぐらいの……」
「そうねー、最低で三回。ううん、いつものお風呂のも入れて四回」
「……聞いてないし」
 苦笑いを浮かべている彼に私はニヤリと笑って聞いてあげた。
「こーゆーの嫌?」
 勿論、答えは聞かないでも判っている。
 それ位の自信は今はいつでもあった。


 ――いつもあなたが側にいる。


 そうではないのに、そう思えるようになった。
 例えこの瞬間、二度と会う事ができなくなっても私は寂しさを感じない。


 姿を見なくても、
 声を聞かなくても、


 私があなたを必要だと感じた時は、いつでも側に感じられる事ができる。 
 もう、私の中でのあなたは別れることのない、存在だから。


 ――あなたは、いつでも側にいてくれる。



 …きっと、それは間違っていない。



 全て見透かされたように、照れくさそうに彼は苦笑いを浮かべる。
 その顎を指で押さえつけ、その唇を奪った。




『Finalist』




 電気の消された部屋は、必要以上にその空間に対して狭さを感じさせる。
 部屋の隅々を見渡せない暗さと、ぼんやりとした物の輪郭が実物以上の厚みを持たせている。
 部屋の唯一の外からの光源である枕元に位置するガラス戸は、薄い水色の長く厚手のカーテンによって全て覆われ、包み隠されている。
 尤も、開いたところで劇的に明るさが増すような時間帯ではない。
 暗闇から、闇が抜け落ちるだけに過ぎない。
 目を凝らせば外の景色ぐらいは見渡せるだろう。
 街灯があって、道路があって、街並みがあって、通り過ぎる車がある。
 日常的に見ている景色の夜の姿を見渡すことができるだろう。


 ガラス戸に自分の顔を映し出しながら。




  …やっ                      はぁっ… あぁ…
  …あんっ


               ギッ… ギッ…


  …ふぁっ                     んぁっ… っあ…
  …はっ


               ギッ… ギッ…


  …うぁっ                     くっ… んんっ…
  …や、ぁ…


               ギッ… ギッ…


  …あっ……あぁっ……                はっ… はっ…




 近づいてくる擬音。
 規則的に息を吐く呼吸音。
 微妙に繰り返される呻き、喘ぐ声。


 室温が高い。
 否、身体が熱い。
 熱源を感じる。


 ――っあ


 今まで、逸らしていた思考が元に還ろうとしている。
 目に浮かんでいた夜景が消え、薄暗い天井が映った。
 その視界がブレ、自分の身体が揺れているのを感じる。


 ――はっ はぁっ


 今まで必死に積み上げてきた思考の塔が崩れ落ちた。


 ――んぁっ


 目が熱い。
 瞳から熱い涙が零れて顔を濡らしていた。


 ――ひゃっ…


 口が熱い。
 必死に喉の奥から身体に溜まっている熱を吐き出そうとするが、涎が垂れ落ちるだけで熱は溜まり続けていた。
 そして、声と呼ぶには余りにも意味を成さないものが衝動と共に出る。


 ――いぁっ… やっ…


 先ほどから絶えることなく、自分の全てを訴え続けるように喘ぎ続けていた。
 身体の隅々が熱い。
 臓器の全てから熱を発しているようにも、血液の全てが熱気を帯びているようにも感じ取れる。
 籠もった室内に晒された肌は外気を感じて冷たさを覚えているのに、身体の中から溢れかえる熱が内から茹で上げるようにそんなことを忘れさせる。
 動き続ける身体が外気と擦れ合い、常に肌を冷やしているにもかかわらず、そんなことを感じさせてくれることはない。


 ――くぅ… くぁっ…


 胸が熱い。
 熱い掌に覆われ包まれた胸がたまらないくらいに熱い。
 べったりと張り付き、掴み潰すには弱く、揉みしだくには強い力で押し上げられる。
 汗で張りついてしまっているせいか、じっとりとした熱さが直に伝わってくる。
 滑るような、剥がれるような感じで掌が離れる。
 そして押し潰されていただけの乳首が指の間に挟まれ、摘まんだまま擦るように弄られる。


 ――くっ… んっ…


 自分の内が熱い。
 打ち込まれた熱いものが、私の内側から熱を伝播するように激しく熱しあげ、私の内は吸い上げるように熱を締め上げる。
 溶け出して一つにならないように頻りに動き続け、熱を上げ続けるかのように擦り続ける。
 その熱さは既に熱さというものではなくなってしまっている。
 熱いというものと同時に、違う感覚が滲みだし、違う感情で知覚し、違う感激が心を埋め尽くしている。
 歓喜。


 ――くはぁっ… はぁっ…


 BGMは二つ。
 無粋なようで淫靡なベッドのスプリング音と、断続的な呼吸音。
 共に、私と共にある音。
 その二つが私の耳に聞こえ続けるだけで、そのことを少し意識するだけで身体が熱を発するのが判る。
 そして注意深く、選り分けて聞き取ると更に無遠慮な音も聞こえてくる。


 ――おんっ… ひぃっ…よっ…


 熱い音。
 交じり合う液体の中で固体がぶつかり合う音。
 固体に挟まれて、液体が撥ねる音。
 二つのものが一つになろうとして、果たせないでいる音。
 聴くことが熱く、熱くなるが故に聴き続ける事ができない音。


 ――くふっ…


 より深く、より強く、より固く絡み合うが為に繋がり、
 より永く、より多く、より大きく続けたいが為に動く。
 互いに欲しがり、それぞれが求め合うが故に。


 ――うぁっ… はぁっ


 始めた時から必ず終焉が来るものであり、終わらせる為に始めているのに、
 終わることが酷く切なく、終わりが来ることに怖さすら憶える。
 考える事さえ拒否するほどの随喜が、底知れる事のない圧倒的な恐怖へと変貌する。


 ――あんっ あっ…


 沈みきっている腰をお尻から突き出す様にして、背中を曲げる。
 熱い息が顔にかかる。
 顔が目の間にあった。


 顔が見たい。
 求めているものを、共にいるものを見て感じたい。
 腕が絡まれて、強く抱き締められる。
 唇が重なってキスをした。
 どちらからというものではなくて、ごく自然に求め合っていた。
「ん……んんっ……」
 貪るように唇を重ね、舌を突き出して絡め合い、互いの唾液を啜る。
 口からの息が満足にできなくて、僅かに互いの唇がずれた時にだけ、熱い息がその呻き声のような声と共に漏れ、互いの嚥下しきれなかった唾液がそれぞれの顎を伝って流れ落ちる。
 下から押さえつけるように、私の背中に回されている腕が締めつけられて痛い。
 そして曲げている腰も悲鳴を上げている。
 たぷたぷと落ち着きのない胸だけが、変わる事無く上へ下へ、右へ左へ、そしてその全ての方向へと揺れ動き、内側から、外側から私の肉を、私の肌を叩き、揺すり続ける。
「いぃ… んあっ…」
 身体を再び起こし、前に垂れている乱れ髪を手で掻きあげた。
 再び、身体が蠢き出す。
 上から見下ろす、切なそうな顔。
 苦しげな眉。
 断続的で乱れがちな息。
 そのくせ表情は照れたような、笑ったような顔をしている。
 余裕がないくせに、あるような素振りさえ感じる。
「ひっぃ… ひぁっ…」
 白い靄が、考えを中断させた。
 途切れがちになる思考と、沸き上がる衝動が頭の中で葛藤する。


 今、どうなっているのか、
 どうされているのかがわからない。
 激しく動いている。
 揺れている。



 どこから――どこへ?



 答えはない。
 問うたのかさえ判らない。




 何かが弾けて、跳んだ――









「もう今年もあと少しね」
「ん…、そーだね」
 浴室から出て、窓から見なれた夜景をタオルで髪を巻いて乾かせてながら見下ろしていると、香りと共に台所から煎れたてのコーヒーの入ったカップを二つ持った彼が戻ってくる。寝間着の上に綿入れを着ているその姿が妙に可愛らしくて可笑しい。
 一昨日は一日中繁華街でゲーセンやらカラオケやらとハシゴし、遊び倒した。道々摂取したアルコールのお陰でかなり陽気に、かなり元気に夜通し騒ぎ通したと思う。
 昨日は朝から何処にも行かずに二人きりでこの部屋で過ごした。特に何をするべもなくべたべたしたりしながら寝転んでいたり、将棋盤を置いて遊んだり、買い置きの材料で料理を二人で作ってみたり、起きているのか寝ているのか判らない時間を共に過ごした。
 今日は、遅い朝を迎えてから午後一杯、駅前のデパートで年末の買い出しに精を出した。互いの洋服を冷やかしに見立てたり、食料品売り場をぶらぶらと散歩代わりに歩き回ったり、屋上でペットショップを遠めにアイスを食べたりしつつも、年末の必需品や、食料を買い込んで夕方ギリギリに帰宅した。
 そして夜は毎晩、二人だけの時間だった。
 一人暮らしを始めたから気にしないでいいとは言え、ここ数日戻っていない事はすぐにバレてしまうだろう。最初から見透かされているのかもしれないけれども。
 それ以前に、今日の日に実家に帰らないというのは今までなかった。
 もうすぐ新しい年になるまでの時間は、海外に住んでいた頃を除いては家族皆で過ごすことに祖父の命によって決められていた。
 別に逆らったり、嫌だったりした訳ではないけれども、自然のまま、普通のままを貫いたらここにいた。
 この、見た目は平凡で、うざったい思考の持ち主で、気が利くのか利かないのか判らないほど個人主義で、そのくせカンは鋭く、手回しも早い――変な男の前に。
 ごく、当たり前のように。
「はい」
「ありがと」
 コーヒーを受け取り、ゆっくりと口を付ける。
「そこの景色、好き?」
「好きね」
 賑やかな音楽と華やかなイルミネーション。
 絵で描いたような街並みが眼下にある。
 そのざわめきがガラス戸一枚で遮蔽され、その空間に閉じ込められたような包まれたような感傷を憶える。
 それを一人見下ろす自分が、酷く傲慢な気持ちになれるほど。

「……」
 同時に光の加減で室内の様子も見えた。
 バスタオル一枚を身にまとい、マグカップを持った私が映っている。
 すぐ後ろには彼が、ベッドの縁に腰を下ろして同じ様にコーヒーを啜っていた。
 この場所には、私一人でいるわけではないことの確認。
 安心。


 そして充実。


「えへへー」
「?」
 夜景を見下ろす女から、隣り合ってコーヒーを飲む女へとなるべく移動して彼の横にちょこんと座った。
「………」
 横目で見ると、微かに口だけで笑っていた。
 私も同じ様に笑っていた。


 クリスマスも過ぎて、もう少ししたら新しい年が始まる。
 また一年、年が刻まれる。


 特に何かが劇的に変わるわけでも、大きく動くわけでもない。
 一日一日と続いていくものが、ひとつだけ続いていくだけ。


 特に一気に深まるわけでもなく、かと言って何も起きないわけでもない。


 起きていることすら判らないほど微少で、
 一日の時間の流れからすれば本当に気づかないほど微々たるものだけれども、


 ――ずっとこうしていければいい。


 そう思えるだけの想いが、また少し膨らんでいく。
 既に当たり前の範囲が広がっていても、まだまだ広がることを望んでいる。
 絶え間無く、尽きることのない欲望。


 ゆっくりと目を閉じる。
 彼が持ってくれたらしく、指からマグカップの重みが抜けた。


 安穏と暮らしていく。
 これからも。
 これからも。


 それが今の、尽きることのないただ一つの要望。
 私から、全てのものにたいしての。


「……ねぇ」
「?」
 水の音が止み、キッチンから顔を出す彼に私は提案する。
「これからさ、外に出よっか」
「へ?」
「着替えてドライブにでも行かない?」
「え" ……」
 不意を付かれたような顔をする。
 最近はこういう顔をさせる事が楽になってきた。
 悪くない。
 私のペースだ。
 そう、これが私だ。
「よしっ!」
 私は閉じていた目を開け、勢いよく立ち上がった。
「じゃあすぐに私も着替えるから用意して」
「ちょ……」
「いーのっ! 決めたんだから」
 クルリと身体を捻り、人差し指を彼の鼻先に突きつける。
 すると、彼の目が細められた。
「………クス」
「なによー」
 頬を膨らませて見せるが、彼は気にした素振りも見せないで立ち上がる。
「いや、じゃあ行きますか。どこか目的地は?」
「無いわ……海とかどう?」
「悪くはないけど……最近の海岸はあんまり綺麗じゃないし何かと物騒だから、遠目で眺められるところでいいかな?」
「ええ。じゃ、早速着替えて……」
 私が彼の前から離れて共用というより半分占拠している洋服ダンスを開けた時、不意に気配と共に後ろから抱き締められる。
「な、なに……?」
「ちょっとだけ、こうさせてくれる…?」
「え? い、いいけど……」
 タンスの扉の裏の鏡に私達が映っているのに気が付いた。
 彼に後ろから抱きしめられている私の全身が映っている。
 片手が私の肩から上半身を抱くように回されていた。
 もう片手は私の腰の方から前に回されていた。
 その先に何かが見える。
「今更だけどさ」
「うん」
 私は鏡の向こうの、私の後ろにいる彼に呼び掛ける。
「あんたって変な奴よね」
「うん」
「全く……」


 ――全く……ねぇ……。


 成長したのかは判らないけれども、私は変わった。
 こんなのんびりした空気を好めるようになったのだから。
 他愛のないやりとりが、楽しめるようになったのだから。


 好きになるのは理由はいらない――


 けど……


「何かこの長い間かけて丸め込まれたって感じよね」
「……」
 鏡の中の彼は丁度顔の部分が隠れていて、表情が判らない。
 笑っているのだろうか。
 困っているのだろうか。
 どちらにしろ私にとっては今更どうでもいいことだったので、考えなかった。
 もっと考えなければならないことが今、出来ていたから。
 その突然の彼の行動に私は溜め息を吐く。
 いや、改めて呆れた。
「……でも、少しは考えなさいよね」
「捕まえたくなったから」
「もぅ… 逃げないわよ、どこにも」
 前に回されていた彼の腕から、その握られていた手から箱を受け取った。
 そして片手で持ったまま指で蓋を開く。
「クリスマスプレゼントの追加ってことで……」
「あら、そんな感覚でいいの?」
 私は意地悪く笑いながら、箱の中のものを――銀色の指輪を取り出して自分の指にはめた。


「……行き先は変更ね」
 指を逸らして掲げながら、指輪の填まった自分の手を見つめる。
「あそこは広いから……海も見えるかな」
「馬鹿。見えないわよ、都内の真ん中だもの……」
「じゃ、見てからにしようか」
「それも悪くないわね。でも服とか大丈夫?」
「んと……ネクタイ、選んでくれる?」
「何なら全て選んであげましょうか?」
 私が前に屈み込むような姿勢になったせいで彼の口元が見えた。
 笑ってた。
 鏡の中の私も笑ってた。


「この変わり者」
「お互い様」
「ええ。お似合いかしら?」
「さあ?」
「もぅ……」
 私はケラケラと笑い続けた。
 後ろから彼に支えられながら。


「これからもよろしくね」
 そして私は彼に膝から崩れかかっていた身体を起き上げて貰うと、


「っ――」


 向き直って彼にキスをした。


 今までで、一番爽やかなキスを。
 そして、これからに続くキスを。




 この瞬間、私は一つの終わりと、一つの始まりを得たことを実感しながら。






                           <完>




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