戦国ランス/戦国ランス 〜アリエッタとモーレツ!G帝国の逆襲〜 |
作者:久々野朽風 URL: http://thoughtless.nobody.jp/
2007年09月28日(金) 23時14分59秒公開
|
「敵襲ーっ! 敵襲だーっ!」 織田城の眠りを覚ます法螺貝と陣太鼓。 「早朝から何処の勢が押し寄せてきたというのか!」 「警備の人たちは? 一体何がおきたのですか」 3Gや香姫が声の元である台所におっとり刀で駆けつける。 「っ!?」 彼らの前には既にモヒカン頭の足軽やら襷がけをした女中らが包囲するようにして固まっていた。 「こ、これは一体……」 「な、何を」 「その乱痴気な格好の兵は毛利のものか!」 謀反の文字が3Gの浮かぶと同時に、 「ああ、3Gのじっちゃんに香姫か」 兵を指揮していたらしい毛利家次女の吉川きくが殺気立った顔のまま台所の奥から姿を見せる。 「ここはもう戦場だ。悪いがあんた達は下がっていてくれ」 「きく殿!」 「きくさん、この騒ぎは一体!」 「奴が出た……」 「や、奴とは……」 3Gが尋ねると同時に、 「きく、加勢に来たぞ!」 「………(俺はやるぜ、俺はやるぜ)」 「戦場はここか……」 「はっはっは。朝駆け奇襲とは敵も大したものよの!」 毛利てる、戦姫、馬場彰炎の戦大好き三人衆と本多忠勝が直ちに駆けつける。 「姉貴!」 「きく、戦況は?」 「すまん。出鼻をくじかれたせいか、かなり劣勢だ。不意を突かれて戦意喪失したものが少なくない」 「そうか、では我が手勢を投入する。一気にケリをつける」 「では我らも貴方達の指揮に入ろう。好きに使うといい」 「がはは、戦のことは我ら戦人に任せるがよい!」 「う、うむ。彰炎殿、頼みますぞ」 「皆さんもお気をつけて!」 声援を受け、戦場に突入する戦士たち。 「にょ〜」 ? 「他の者は?」 「五十六たちは外で敵襲に備えておる」 「増援など有り得ぬが、万が一ということもあるしな」 「ああ」 軽く話し合いつつ狭い台所に二人が入ると、 「と、飛んだ!」 「そこっ!」 「ひ、ひぃぃぃぃっ」 「うろたえるなっ! 者共っ!」 あちらこちらからおこる悲鳴、喚声。 「ちっ。あたしらが管理を徹底してた毛利の城で慣れていたのが却って仇になっちまったか!」 「この城は弛んでおる! あの男の弛みが城内の空気そのものになっておるわ!」 背中合わせで敵に立ち向かう、てるときく。 「………(くっ、ちょこまかとっ)」 「ええぃ、小さすぎて当たらぬわ!」 苛立ちを隠せない忠勝に彰炎。 「にょ〜」 ?? 「びぇぇぇ〜〜んっ、助けて、助けてぇぇぇぇぇぇっ〜〜」 「気をしっかり持ってください。野菊様。このようなものっ」 「だって、だって奥州にはいなかったもんっ、とっ、わ、わ、んきゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」 「ああっ、野菊様が竈の中に頭からっ」 「バーボ(政宗様)の買ってくれた服が焼けちゃうぅぅぅぅ」 右往左往しながら躓いて大惨事に陥る野菊。 「……野菊は何をしておる。ここを焼き払えばよいのか?」 「ちょ、おま、待っ、」 「貴様! 人の名を呼び捨てにするでないわっ!」 「んがぁぁぁぁぁぁっ!」 「ああ、堕山さんの素顔がもの凄い顔にっ!」 「元からじゃっ!」 苛立たしげに現れたお町が、堕山をぶっ飛ばす。 「ZZZ…」 「ランス様ー、城では今大騒ぎですよ。起きてくださーい」 「シィル殿。大丈夫でござる。ただ――― 鈴女の声をかき消す、爆発音。 「一体あの騒ぎは? ああ、そうですか。越後では、ですか? 我が国に兵糧庫はあってなきものでしたから……米所ではありますが、貯蓄以上に消費量が……ええ、誰のせいとはいいませんが」 「すまぬ」 「我々が常に遠征し続けたのも篭城するだけの食料がなかったからでもあります。各地に転戦したのも国の平和の為と兵糧を分けてもらうためでもありました」 「うむ、各地の名産品も貰えた」 「観光じゃないんだから」 「美禰、なんだって?」 「それがGが出ただってさ」 「G? それがどうしてこんな騒ぎに?」 「さあね、あたしらにゃ、全然理解できないよ」 「な、中では一体どんなことが」 「姫様。ここは危険です。奥にお下がりください!」 綺麗好きの毛利家が炊事当番だったり、 蝦夷住みで縁がなかったりした奥州勢と、 台所に縁のない面々ばかりが集まったことで起きた大騒ぎ。 「ひぇぇ、どうしましょう」 「この織田、もしくは近隣の者に任せておけばこれ程の騒ぎにはならなかっでござるよ」 だが、そんな彼女らの背後にも忍び寄る新たな敵が! 「ところで月光殿、この柱どう思います」 「義風殿、すごく、白蟻ですな」 「きゃぁぁぁぁぁっっっっ。鼠の大群よぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」 「おい、この猿、籐吉朗じゃないぞっ!」 「この足音はまさか……」 「ぼ、ぼたんの大群っ!?」 『合身! 古代魔怪獣ゴキブリダー参上っ!!』 「なんだとっ?」 「が、合体したぞ!」 「ふふふ、戦とはこうでなくては」 「がははは、やっと手ごたえのある敵が現れたということかっ」 「にょ〜」 ??? ときは今 天が下しる 五月哉 ありとあらゆる生物たちが織田を襲う大惨事。 この危機を織田家、そしてランス一行は凌ぎきることができるのか! そしてこっそりと光臨した傘を持った少女の正体は?
織田城、崩落まであと三日っ |
|