午後のティーラウンジ 〜コンビ名編〜



「ではここでお便りを紹介します」
「いつもいつもたくさんのおたより本当にありがとー♪」
「みなさまからいただいたお便りは全て」
「目を通した後焼却してまんぐっっ!」
「そういうたちの悪い冗談を言う口はその口か―――――――――――――!」
「ふぐぐふぐふぐぐぐぐぐぐぐぐっっ!」
「ちゃんと保存していますのでご安心くださいね」
「ぐ・・・・・ぷはあっ・・・ぜー、ぜー・・・」
「では改めてお便り紹介します」
「こ、殺す気かー!」
「ええと・・・こちらの方は・・・・・2年の匿名さんですね」
「殺人鬼―変質者―変態―」
「・・・・・・・・・・・誰が変態だって」
「美奈萌」
「どこら辺が変態だってーのよ」
「男物の下着履いて寝ているとこ」
「誰がそんなことしたかっ!勝手に決め付けるなっ!」
「この間見たもん」
「嘘言うな!」
「嘘じゃないもん!」
「どこで見たのよ!」
「あたしの夢の中で!」
「・・・・・・・・・・・・・はい?」
「あたしの夢の中ではっきりと見た!縦縞のトランクス履いてた!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「言ってたもん!「この方が履き心地がいい」って」
「・・・・えー、二年の匿名さんですね・・・・」
「何無視してるのよー」
「やかましいっ!夢と現実を一緒にするなっ!」
「似たようなもんだ」
「全然違うっ!」
「まあいいや。先に行こう。なんか美奈萌が怒ってるの見てたら溜飲が下がった 」
「こっちは怒り心頭よっ!」
「気にしない気にしない」
「あーすごくむかつく――っ!」
「いいからほら、読まないと進行遅れるよ縦縞トランクス」
「・・・・・・・後でシメてやる・・・・えっと、『毎回楽しみに聞かせていただいております』」
「ありがとー♪そう言われるとやっている甲斐もあるってもんだよー」
「ありがとうございます『そこでいつも楽しませてくださるお二人のコンビ名をつけさせていただきました』」
「へー。ユニット名かー。いいのつけてくれた?どんなの?」
「『その名もずばり!「昼夕コンビ」』!」
「・・・・・・・・・・・・・・へ?」
「『まひるさんから「昼」夕凪さんから「夕」を取って付けてみました。どうでしょうか。よろしかったら使ってください』」
「却下―」
「・・・そうね。目の付け所はいいけどちょっと・・・ねえ」
「でもコンビの名前っていいよね」
「そうね。ちょっとここで考えてみる?」
「そだね。考えてみよ」
「まひるいい名前ある?」
「あるよー!ずばり「焼き肉」!」
「・・・・・・・・・・・どこがいい名前だって?」
「美味しそう」
「・・・・あんたが今食べたいってだけでしょ、却下」
「うー・・・・じゃあ「すき」」
「「すき焼き」も却下」
「・・・じゃあ「ハン」」
「「ハンバーグ」も駄目!あんた食べ物から離れなさいよ!」
「・・・・じゃあ美奈萌ならどんな名前付けるのよー」
「そうねえ、さっきお便りくれた人を倣って二人の名前から・・・・「広場美奈萌」・・・・・」
「うわださー。なんの捻りもないじゃないそれー」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・何赤くなってるかなあんたは」
「・・・・・・・・だって・・・・その・・・」
「・・・・ちょ、ちょっと・・・その妙なオーラを・・・」
「・・・・広場美奈萌なんて・・・・まるで・・・」
「や、やめてよ・・・・こ、こっちまで・・・」
「け、結婚した・・・みたいで・・・・・・・」
「あ、赤くなるじゃないのよ・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



その頃教室。

「・・・・・・・「桜庭まひる」・・・よりも「広場香澄」・・・・・わ、悪くない・・・かしら、ね」
「・・・・・・・やっぱり「遠場まひる」の方がしっくりくると思うのだが」


おしまい




 もりたとおる様より戴きました。
 昔、声優系ラジオの人気が固まってきてどこもかしこもの局が新番組を乱立していた頃に、こういうユニット名はどうでしょうか的葉書が結構きていたのを思い出しました。
 本人のみの渾身のユニット名が受付嬢の愛想笑い宜しくスルーされ、結局仕込……もとい、何とかお眼鏡にか無かった口触りの良いものに落ちつくと言うパターンが多かった……ではなく、そんな当時の空気を思い出させるようなノリでして楽しめました。
 ただ、美奈萌のそれはユニット名でもなんでもないぞ(笑)。それとなく彼女のセンスというものがあからさまになっているようで面白かったです。
 このシリーズはDEEPBLUE様のサイトでも発表されているので、興味のある方は是非こちらのOther-SSの頁へどうぞ。
 もりたとおる様、本当にありがとうございました。


もりたとおる様のHP 



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